【ゼーフェルト(オーストリア)10日】ワールドカップ・ロシア大会に出場する日本代表DF長友佑都(31=ガラタサライ)が、衝撃の変身を遂げた。9日の休養日を挟み、2日ぶりの活動に、周囲の度肝を抜く金髪で登場した。西野ジャパンは始動以来、国際Aマッチ2戦2敗。危機感をあらわにしていた主力DFが、劇的チェンジの思いを髪色に込めた。

 長友が劇的に変身した。休養明けの10日の練習。白いバスから見慣れない髪色の男が出てきた。目を凝らすと「日本男児」の著書もある長友だ! 前日までの黒髪から、きれいに色が抜け明る過ぎる金色に染め上げられていた。髪は逆立ったようにも見え、まるであの人気漫画「ドラゴンボール」のキャラクターのような変身ぶりだった。

 練習を終えた長友は、笑いながら言った。「スーパーサイヤ人になりたかったんですけど、ただのスーパーゴリラになってしまいました」。パワフルなプレーぶりとエネルギーで自身をゴリラに例えることもある。少し気恥ずかしかったのだろうか。ただ「スーパーサイヤ人」には、意味がある。

 欧州も含め世界に誇る日本の「マンガ」のエース格、ドラゴンボールの主人公はスーパーサイヤ人に変身すると、金髪を逆立てたような髪形になり、戦闘能力が上がる。半ば本気の大チェンジ。低調な代表に髪色で刺激を入れた。

 実は人生2度目の金髪だという。「小学校の時にあるんですよね。3年くらいの時、ちょうど転校したときになめられないようにしようと思って」。相手と自分にガツンとカツを入れる。長友流、人生2度目の決意の髪色だった。

 完敗した8日スイス戦後には「(代表は)6カ月勝てない。今後、ポジティブに考えればいいのか、ネガティブで進んでいけばいいのかっていうのは、正直、僕も答えが出ていないです」と苦悩していた。髪色からメッセージを発し、金髪でロシアへ。愛妻の女優平愛梨も、合格を出したというアタマで、日本をけん引する目印になる。