開幕直前に監督が交代したスペインがFWディエゴコスタ(アトレチコ・マドリード)の2得点などで一時は逆転しながらも、FWロナウド(レアル・マドリード)のスーパーFK弾でポルトガルに追いつかれ、勝ち点3を逃した。

 前半4分にロナウドにPKを決められる苦しい立ち上がりとなったが、同24分、ロングフィードを前線で競り合ったディエゴコスタがキープし、相手DF2人を巧みな個人技でかわしながら右足シュートを突き刺して同点に追いついた。しかし、同44分、ロナウドの強烈な左足ミドルシュートをGKデヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が押さえきれず再び勝ち越しを許した。

 後半に入り、10分、FKからMFブスケツ(バルセロナ)の折り返しをディエゴコスタが押し込んで再び同点に追いつき、同13分にはこぼれ球をDFナチョ(Rマドリード)が抑えの効いた左足ハーブボレーを放つと、ボールは左ポストを直撃してゴールに飛び込み勝ち越しに成功した。このまま逃げきるかに見えたが同43分、ロナウドに鮮やかな同点FKを決められ逃げ切りに失敗。勝ち点1を分け合った。

 解任されたロペテギ前監督に代わり、急きょ指揮を執ったイエロ新監督は「ロナウドが相手だったら起こりうることだ。ロナウドがいるチームは幸運だ。彼を止めることは難しい」とお手上げの様子だったが、「2度リードを奪われながら同点に追いつき、勝ち越すことは簡単ではない。全ての逆境を自分たちは乗り越えたし、チームは自分たちを信じ、戦い、キャラクターを見せてくれた。勝利を決して諦めなかった。それがこの試合の起きたこと全ての中で一番大事なこと。とても誇りに思う」とたたえた。

 2得点のディエゴコスタは「満足しているけど、試合をほぼ決めていたのに最後にFKから引き分けにされた。とても素晴らしい試合だったし、激しく戦った試合だった。この結果は少し不思議な感触だ。逆転してほぼ手中に収めていたけど逃してしまった。自分たちは勝利にふさわしいと思うし、多くのチャンスを作っていたしボールをキープしていた。2度同点に追いついたけど、最後は勝利することが出来なかった」と悔しがった。