日本代表が19日にコロンビアとの大会初戦に臨むサランスクのスタジアムは、楽な環境ではなさそうだ。決戦を2日後に控えて試合会場を潜入取材したところ、長めの芝や暑い気候に加えポプラの綿毛が飛散しており、選手がプレーに支障をきたす可能性があった。

 今大会のために沼地を埋め立てて建てられたというモルドビア・アリーナ。今年完成したばかりで、丸みのあるスタジアム外壁は鮮やかなオレンジ色が映える。派手な見た目に気を取られながらピッチレベルまで行くと、はっきりと目で確認できる量の綿毛がスタジアム内を漂っていた。空気の通りが良いこともあって、時に渦を巻くように舞い上がることもあった。

 このポプラの綿毛は、カザンで合宿中の選手も気にかけている。16日の練習後に取材対応したDF槙野は「飛んでいるやつ、すごかった。あれいらないよね。鼻に入るし」と苦笑い交じりに困惑の表情を浮かべていた。強い風が吹くと、はっきり目を開けられないほどの量が飛散することも。練習の段階で事前に経験できたことは幸運とも言えるが、試合でもやりづらさを感じる可能性は高い。

 加えて試合日の19日は、気温が約26度まで上がると予想。カザンと比べて約10度、一気に上昇することになる。この日もすでに約24度と、カザンで過ごす服装でいるとすぐに汗ばむ暑さだった。暑さからかピッチの隅にはハエの群れがブンブンと音を立てて飛び回っている。衛生環境も決していいとは言えない。

 選手も懸念していたとおり、ピッチの芝は長め。加えて高温となれば、スタミナを奪われやすい状態だ。西野ジャパンがスタジアムで練習するのは今日18日のみ。ピッチを取り巻く環境全体が“ロシアの洗礼”とならないよう、注意を払った準備が求められそうだ。【岡崎悠利】