北大西洋に浮かぶ人口約34万人の島国アイスランドが、初めて臨んだW杯でサッカー大国アルゼンチンから待望の勝ち点1をもぎ取った。立役者の守護神ハルドルソンは「大きな勝ち点だ」と誇った。太鼓と手拍子による独特な応援「バイキング・クラップ」が、心地よかった。

 世界最高峰の選手の心に思いを寄せた。後半19分。ペナルティーマークに置かれたボールを挟んでメッシと対面した。34歳のベテランは「何度もメッシのPKを見て、こっちに蹴るだろうという感覚があった」。サッカー選手になる前は映像ディレクター。映像解析はお手の物だった。右へ跳び、見事に阻んで見せた。3倍の26本のシュートを浴びても、193センチの長身を生かして立ちふさがった。

 初出場8強だった16年欧州選手権も、初戦でポルトガルの猛攻を耐えて引き分けた。ハルドルソンは「あのときはロナウドがいて、今回はメッシ。確かに似ているね」。不敵に笑った。