横浜FCのFWカズ(三浦知良、51)が21日、国際サッカー連盟(FIFA)の招待で向かっていたワールドカップ(W杯)ロシア大会の「日本-コロンビア」(19日)の現地観戦を終え、成田空港に帰国した。

 上下スエットのラフな格好で姿を現れたカズは、シーズン途中での2泊4日の弾丸ツアーにも「エンジョイできました」と笑顔をみせた。親交の深いMF香川真司らの得点で勝利を挙げた日本の戦いぶりには表情を緩ませ「試合への入り方が良かった。落ち着いてやっていたと思います。相手が10人とはいえ、あれだけ後半、余裕を持ってボールを回せることはそんなにない」と話した。

 試合前日の深夜に到着したことから選手には直接会えなかったが、香川らとメッセージのやりとりは行っていたといい「みんな余裕があったし、真司も試合の何時間か前に『頑張ります』って返信がきていた」と明かした。先制点のPKの場面については「大迫とか他のみんなにも悪いけど」と前置きしっつ、「『真司、蹴れ』って思ってました。そしたらボール持ったから。緊張しましたよね。日本のPKの歴史の中でも最もプレッシャーがかかるPKの1つだったと思う。それを決めたのは素晴らしい」とロシア入り前の5月に3度自宅に招くなど、かわいがっていた香川の活躍を喜んだ。

 試合はFIFAのジャンニ・インファンティノ会長らも座るVIP席で観戦。隣にはカズが94年から1年間在籍していたセリエAのジェノア時代に同リーグのパルマに所属していた元コロンビア代表のアスプリージャ氏が座っていたといい、「アスプリージャも(日本を)褒めてましたね。『コロンビアは2つも3つもパスがつなげない』って。FIFAの会長が1人少ないからだよって言っても『そうじゃない。コロンビアが悪いからだ』って」とVIP席での舞台裏も明かした。

 あらためて肌で感じたW杯の雰囲気については「4年前のコートジボワール戦とはまた違った。コロンビアのサポーターが多くて、アウェーの中だけど本場の雰囲気もして。ブーイングもすごかった。これぞW杯という感じだった」と振り返った。宿泊先のホテルではコロンビアサポーターから写真撮影も求められたといい「(試合の)スタジアムにはコロンビアサポーターが1万5000人来たんでしょ? そのうちの1人だけ写真を撮ってくれた人がいた。30代くらいかな。何でこいつ俺のこと知ってんのかなって。肩にコロンビアの国旗回されて」と話した。

 日本代表へは「まだ3分の1が終わっただけ。セネガル戦が大事。初戦に勝っているし、勢いは日本と同じ。この試合は面白いと思う」とエールを送り、「このあとクラブの練習だから」と迎えの車に乗り込み、空港をあとにした。