日本代表が決勝トーナメント進出を果たし列島が沸く中、フィギュアスケートの五輪金メダリスト羽生結弦と似た名前で注目を浴びた弓弦羽神社(神戸市東灘区)に代表の勝利を願う人々が足を運んでいる。羽生ファンの聖地として知られる前から、サッカーとの深い縁があるからだ。

 この神社がまつる神の使いが3本足の伝説の鳥「八咫烏(やたがらす)」。日本サッカー協会のシンボルマークに起用され、ユニホームの左胸に描かれている。また、大正時代に近くにあった旧御影師範学校で日本初のサッカーチームがつくられたことから、一帯は「日本サッカー発祥の地」とも呼ばれる。

 神社は数年前、八咫烏を彫り込んだサッカーボールの石像を境内に設置。参拝客は石像の前でも手を合わせる。奉納されたボール形の絵馬には「日本代表必勝!」「香川選手がけがなく活躍できますように」などと応援の言葉がびっしりと書かれている。

 神社によると、絵馬の数では羽生ファンのものに水をあけられているが、日本代表が1次リーグで勝ち点を得るごとに参拝客が増えてきた。

 大のサッカー好きという市内の会社役員遠藤博臣さん(45)は「絶対に勝ってほしいので日本戦前に参拝している。代表には気を緩めず頑張ってもらいたい」と手を合わせて目を閉じた。