日本代表のMF本田圭佑(32=パチューカ)が初の8強入りの鍵は「遊び心」にあると訴えた。ベースキャンプ地カザンでの練習後は「弱点はいくつかピックアップして共有している」と力強く言った。同点ゴールを決めたセネガル戦に向かう時と重なる言葉。自身も「有力かと思う」と話すなど、途中出場の可能性が高い。「求められるのは次に進むこと。得点に絡むプレー、動き、アイデアを出すことに力を注ぎたい」。出場2試合で1得点1アシスト。狙いはぶれなかった。

 ただ、優勝候補の一角が相手で「分が悪い戦力。日本がどれだけサプライズを起こせるか」と冷静。思うように力を発揮させてもらえない展開は想定済みだ。準備時間も限られているからこそ、想定外の場面に対応できる気持ちの余裕が大事になるという。本田は「遊び心」と表現した。「思い切ってやることは(10年大会の)パラグアイ戦でもできた。ただ単にではなく、楽しみながらプレーしたい。記録がかかった状態で頭に入れておくことは価値がある」。プレッシャーがかかればかかるほど、忘れそうになる感覚。若い選手にも伝えたいと語った。

 ベルギーからは13年11月の国際親善試合で、右足でゴール左に得点を決めている。ただ本人は「近年でとにかく力をつけて、強豪国というブランドを築いたイメージ」と、5年前とは比較できない力を警戒した。

 決意の言葉は静かに発した。「僕らと当たることに対して、(相手は)ラッキーに思っていると思う。結果で覆したい」。培ってきた技術、経験、そして意地。全てを出し切った先に、まだ見ぬ世界があると信じている。【岡崎悠利】

 ◆13年11月19日のベルギー戦 日本は3-2でFIFAランク5位だったベルギーを下した。前半15分にGK川島が「自分のミス」と認める不用意な飛び出しから先制を許したが、37分に酒井宏のクロスを柿谷が頭で合わせて同点。後半8分には遠藤のパスを本田が利き足とは逆の右足で勝ち越し点を奪った。18分にも柿谷のパスを岡崎が決めた。終盤はベルギーのパワープレーに苦しんだが、CKからの1失点に抑えた。