ウルグアイが、31歳FWコンビのワールドカップ(W杯)史上最長“87メートルパス交換”でポルトガルを撃破した。前半7分。右サイドでボールを受けたFWカバニが、左サイドに走り込んだFWスアレスへ約61メートルのロングパス。スアレスはそのボールを胸トラップし、ペナルティーエリアに向かってドリブル。スアレスはペナルティーエリア左角から、ゴール右前に入ったカバニへ約26メートルの高速クロス。カバニが頭でネットを揺らした。

 2人合わせて87メートルの“ワンツーパス”。距離だけでなく速さもすごい。カバニからスアレスのパスは2・6秒、スアレスからカバニへのクロスは0・9秒。正確性も抜群で、ポルトガルの守備陣は誰もカバニのゴール前の動きに付いていけなかった。

 1-1で迎えた後半17分には、MFベンタンクールのパスを受けたカバニが約13メートルのミドル弾で2点目を決めた。この2得点でカバニは自身の持つウルグアイ史上最年長ゴールを更新した。勝ち越し弾から12分後、左ふくらはぎを痛め、自ら交代を要求しピッチを去った。

 エースが1人欠けても、1次リーグ3試合無失点を誇った堅固な守備があれば、1点のリードで十分だった。スアレス以外、ほぼ全員が自陣に引きこもり、ポルトガルの猛攻をはね返した。両エースの活躍と、黒子役の堅守ががっちりかみ合い、2大会ぶりに8強へコマを進めた。71歳のタバレス監督は「全員がピッチで献身的にプレーした。これがわれわれのやり方。自分たちのスタイル、強みを出して、決勝まで7試合戦うつもりだ」と力を込めた。