FIFAランキング12位のイングランドと同24位のスウェーデンは過去のW杯で2度対戦して2分け。いずれも1次リーグでの対戦で、2002年日韓大会では1-1、06年ドイツ大会では2-2だった。3度目の対戦となったこの試合は、スウェーデンのペースで進んだ。中央を固めてロングボールを入れさせず、逆にカウンターを仕掛け、13分にはこの試合両チーム含めて最初のシュートをグイデッテンが放つ。

 これに対してなかなかシュートまで持ち込めなかったイングランドは19分、現在6得点で得点王レースでトップを行くケーンが右足でゴールを狙うも、大きく左へ外れた。ただ、ケーンのシュートを機に、リズムが出てきたイングランドは30分、この試合初のセットプレーとなった左CKから193センチのDFマグワイヤが強烈なヘッドをたたき込み1点を奪った。

 徹底して守備を固めてカウンターを狙うスウェーデンに対し、イングランドはセットプレーから高さを生かしての得点を狙う。両チームとも高さを備えている。

 また両チームには同じ時期に妻が出産を控えた選手がいたことでも注目を集めた。イングランドのDFデルフ(28)は妻の出産に立ち会うために決勝トーナメント1回戦のコロンビア戦を欠場。デルフはパナマ戦(出場27分)、ベルギー戦(90分)と2試合に出場しており、チームとしては大きな戦力ダウンとなるが、この判断をサウスゲート監督は「家族と向き合う姿勢は素晴らしい。W杯も1度しかないが、子供の誕生も一生に1度」と話し、デルフの行動を称賛した。

 一方のスウェーデンは主将のDFグランクビスト(33)がやはり妻ソフィーさんが第2子の出産を控えていたが、こちらはソフィーさんが「私は決勝トーナメントに出場することを望むわ」とのメッセージを尊重しチームに残った。なお、ソフィーさんは無事に女の子のミカちゃんを出産した。

 準決勝に進めば、スウェーデンは94年アメリカ大会以来となる。後半2分、FWベリが強烈なヘッドを見せるが、ピックフォードが左手で弾き出すビッグセーブに遭い得点ならず。

 結局、イングランドは後半14分にMFアリがヘッドを決めて2点差。このリードを守りきり、イングランドが90年イタリア大会以来28年ぶりの準決勝進出を果たした。イングランドはロシア-クロアチアの勝者と日本時間12日午前3時からモスクワ・ルジニキスタジアムで準決勝を戦う。