FIFAランキングは出場チームで最低の70位。「史上最弱の代表」と批判されてきた地元ロシアにとって、決して悪くない去り方だった。下馬評を覆して準々決勝まで進み、最後はPK戦負け。会場は温かい拍手に包まれ、チェルチェソフ監督は「誇りを胸に大会を終えられるのはいいことだ」と穏やかに話した。

 前半31分にMFチェリシェフの今大会4点目となる左足ミドルで先制し、1-2と後がない延長後半10分にはFKからDFフェルナンデスの頭で追いついた。2試合連続のPK戦でもGKアキンフェーフが2人目をストップ。総走行距離では相手を9キロも上回った。

 選手の奮闘に、プーチン大統領は監督への電話で「最高に美しい試合で負けたが、全員が英雄で誇りだ」と称賛。ロシア紙スポルト・エクスプレスも「どうもありがとう。君たちは最高だった」とたたえた。選手にも国民にも大会にとっても良い盛り上がりになった。