193センチ、98キロの堂々たるサイズ。イングランドのDFマグワイアが前半30分、ド迫力の先制点をぶち込んだ。左CK。MFフォスベリをなぎ倒すように突進。ボールを押しつぶすようなヘッドに、堅守のGKオルセンも腰から砕け落ちて見送った。「これ以上ないね。ワールドカップ(W杯)での準々決勝で勝利に貢献できたよ」。これでチームは1次リーグを含め5試合11得点のうち8点がセットプレーから。いかに高さに強いかが分かる。

 走る冷蔵庫の異名を取るベルギーFWルカクは190センチ、94キロ。マグワイアはさらにひと回り大きい。しかし、その存在は2年前までは無名。16年のフランスでの欧州選手権では、友人と母国のユニホーム姿でスタンド観戦していた。

 それが昨年、日本代表の岡崎が所属するレスターに移籍すると頭角を現し、とんとん拍子で代表デビュー、さらにW杯メンバーに食い込んだ。この試合で代表通算10試合。「ここからプレッシャーが増すかもしれないが、みんな若いし準備はできている」と頼もしい。FWには24歳のハリー・ケーン、DFには25歳のハリー・マグワイア。若いダブルハリーがイングランド快進撃の中心にいる。