40代指揮官がワールドカップ(W杯)の快記録に挑む-。ロシア大会は10日(日本時間11日3時)にフランス-ベルギーの準決勝が行われる。事実上の決勝戦とされる一戦だ。ベルギーのマルティネス監督(44)は「史上初の外国人監督優勝」、フランスのデシャン監督(49)は「史上2人目の主将と監督で優勝」を目指す。40代監督のW杯優勝は、90年イタリア大会の西ドイツ代表ベッケンバウアー監督(当時44)が最後。W杯の歴史に名を刻むのはどっちだ?

 13日に45歳の誕生日を迎えるベルギーのマルティネス監督は、長いW杯の歴史で誰一人として達成していない快挙に挑む。今大会の4強進出チームで唯一の外国人監督。21回目を迎えるW杯だが、過去20回の優勝監督はすべて自国出身者で占められていた。スペイン人指揮官がW杯のジンクスを打ち破ろうとしている。

 プレミアリーグのエバートンなどを指揮し、16年8月にベルギーの代表監督に就任した。W杯欧州予選の初戦まで約1カ月と迫っていたが、エバートン時代に指導したルカクやフェライニら主力選手の特性は熟知。欧州予選を9勝1分けで突破し、今大会も唯一の5連勝(90分試合)で86年大会以来、32年ぶりの4強に導いた。

 戦術の教授とも評され、ピッチで起こるあらゆる可能性を想定する。「選手たちは戦術をしっかり頭に入れて、勇気と集中力を備えてそれを実行しなければならない。そしてそれを信じることだ。そうでないと複雑な状況になってしまう」。決勝トーナメント1回戦日本戦の2点差逆転勝ちや、準々決勝ブラジル戦の布陣変更は象徴的だった。若き知将のフランス撃破のシナリオはいかに。