サッカーのワールドカップ(W杯)は4年後に次回大会がカタールを舞台にして行われる。大会組織委員会はモスクワとサンクトペテルブルクに特設会場を設けてPRするとともに、ロシアに人材を派遣してW杯開催のノウハウを吸収している。

 モスクワ川のほとりに特設された「マジリス・カタール(カタールの社交場の意)」という会場には伝統工芸品や香辛料などが並び、伝統的な歌と踊りの催しもあった。組織委で広報担当を務めるハリド・ナーマ氏によると、7日のオープンから2日間で8000人以上が足を運んだ。「伝統衣装を試着できるコーナーもある。たくさんの人にカタールの文化に触れてほしい」と話す。

 カタール大会で使用される予定の8会場は2020年には完成し、全スタジアムが最新技術による冷房システムを完備する。各会場を結ぶ地下鉄も同年までには開通する見通し。秋田県ほどの広さの国土で、最も離れた会場間でも1時間ほどで移動できるという。

 大会関係者は約180人がロシア入りし、国際サッカー連盟(FIFA)やロシア大会の組織委員会と協力して試合運営や輸送、警備など各方面の実務を学んだ。ナーマ氏は「ロシアも初開催で、カタールと共通点がある」と中東初開催となるW杯の成功に向け、意欲に満ちた表情で言った。