ベルギーが3位決定戦でイングランドを2-0で下し、過去最高の3位に食い込んだ。前半4分にDFトーマス・ムニエ(26)が先制。W杯記録に並ぶ1大会最多10人目の得点者となり、後半37分には10番のE・アザール主将がダメを押した。守っては得点ランク1位のFWケーンを完封。日本に逆転勝ちし、勢いに乗った黄金世代が歴史を変えた。

 この日は黄色の“赤い悪魔”が、開始4分にいきなり先制した。GKクルトワのロングボールから一気に前線へ押し上げ、左ウイングバック(WB)シャドリのクロスに、大外から走り込んだ右WBムニエが飛び込む。難しいワンバウンドを右膝に当てゴールへ押し込む。決勝トーナメント1回戦の日本戦。後半ロスタイムにあの決勝点を挙げたムニエ→シャドリのコンビが、今度は得点とアシストを逆の立場で先制してみせた。

 準決勝まで4強チーム最多の6戦14発の攻撃力を誇ったベルギー。その速攻は健在だった。先制の場面は起点となったクルトワのキックを含め、5人が計7タッチ、13秒でゴールを陥れた。今大会の得点マーク者も10人に。82年フランス、06年イタリアのW杯記録に肩を並べ、どこからでも点を取れることを証明した。

 イングランドと同組だった1次リーグを3戦全勝で突破し、決勝トーナメントでは日本、そしてブラジルを連破。準決勝フランス戦で力尽きたが、最後に意地を見せた。締めは、高速カウンターで今大会を沸かせてきた2人。後半37分、デブルイネのラストパスを受けたE・アザールが右足で2点目を奪い、試合を決めた。黄金世代が躍動し、86年大会の4位を上回る初の3位に輝いた。【木下淳】