インターネットは我々の生活に多大な利便性をもたらしたが、一方で匿名であるがゆえに差別的、暴力的な書き込み等が絶えることがない。

ガーディアン紙(電子版)など複数の海外メディアによると、女子イングランド代表FWカレン・カーニー(31)が、卑劣な書き込みの被害に遭ったという。

チェルシーの主将を務める同FWは17日、女子欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント2回戦・第1戦のフィオレンティナ戦に出場。PKを決めて1-0の勝利に貢献した。

しかし試合直後にカーニーのインスタグラムに対し、特定のユーザーから「後半何度チャンスをつくれば得点できるんだ、このまぬけのあばずれ」「お前なんかガンや白血病になってしまえ」「そして誰かが死ぬまでレイプしてくれればいいのに」などの書き込みが続いたという。

女子イングランド代表のフィル・ネビル監督はすぐに反応。自身のインスタグラムに「私のチームの選手に対して送られたこれらのメッセージは極めて恥ずべきもの。インスタグラムはすぐに対処すべきだ」と訴えた。

この匿名ユーザーは現在インスタグラムを除名されているが、イングランド・サッカー協会(FA)も事態を重く見て、警察やソーシャルメディアを運営する会社に連絡。こういったことが再び起きないように協力を要請したという。

日本でもインターネットの書き込み欄などを見ると、見るに堪えない罵詈(ばり)雑言が並んでいることは多い。今回のカーニーに対する書き込みもレイプを扇動しているとも言え、単なる悪口の域を超えている。同様な“犯罪”が起きないよう、こういった卑劣なユーザーに対しては警察当局による厳正な捜査を期待したい。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)