今季最初のクラシコが16日、サンティアゴ・ベルナベウで開催される。両チームともにスペインリーグ8試合7勝1分けの勝ち点22と、非常に拮抗(きっこう)した状態でこの大一番を迎えることになった。
得失点差によりバルセロナが首位、レアル・マドリードが2位となっているが、スペインリーグでは最終的に2チームが勝ち点で並んだ場合、直接対決の結果が優先されるため、今回の対戦は優勝争いに向け非常に重要なものとなる。
両チームの今季ここまでの歩みはどんなものだったのだろうか?
■今季負けなしのRマドリード
昨季、欧州チャンピオンズリーグ(CL)、スペインリーグ、スペイン・スーパーカップの3冠を達成したRマドリードは今夏、リュディガーをフリー、チュアメニを8000万ユーロ(約112億円)+出来高2000万ユーロ(約28億円)で獲得し、オドリオソラが期限付き移籍から戻ってきたのみ。一方、マルセロ、ベール、イスコ、カゼミーロなどクラブに貢献した選手たちが続々と退団した。
8月に行われた欧州スーパーカップで今季最初のタイトルを手にしたことを皮切りに、懸念された中盤の柱カゼミーロの代役を新加入のチュアメニがうまく果たし、そのままの勢いで公式戦9連勝を達成。オサスナと引き分けたことで連勝はストップしたが、ここまで公式戦13試合11勝2分けと一度も負けていない。欧州CLでも好調を維持し、1次リーグ4試合を戦い、3勝1分で首位をキープ。2節残して早々に決勝トーナメント進出を決めている。
Rマドリード成功の要因のひとつに、アンチェロッティ監督がワールドカップ(W杯)カタール大会による過密日程を考慮し、昨季はあまり行わなかったローテーションを頻繁に実施して選手たちのコンディションに気を配り、多くの選手に出場機会を与えていることが挙げられている。
また、昨季大きな進化を遂げたビニシウスのように、右ウイングでプレーする機会が増えたバルベルデや、ベンゼマ不在時に代役を務めるロドリゴが急成長し、決定力を高めていることもポジティブな要素である。
一方、クルトワの負傷欠場、スペインリーグ8試合中7試合で失点していること、負傷欠場もあったベンゼマがゴールに苦しみ、出場したここ5試合連続で無得点に終わっていること、そして特に最近のチームの決定力不足がクラシコに向けての懸念材料となっている。
■欧州CL敗退濃厚なバルサ
対するバルセロナは今夏、ケシエ、クリステンセン、ベジェリン、マルコス・アロンソをフリー、ラフィーニャ、クンデ、レバンドフスキを計1億5300万ユーロ(約214億2000万円)で獲得した。
しかしサラリーキャップ(選手の契約年数に合わせて分割された移籍金や選手年俸などの限度額)問題により、新加入選手をリーグ登録できない状況に陥ったため、テレビ放映権および選手たちの映像や音声のコンテンツを制作する子会社バルサ・スタジオの権利を一部売却することなどで収入を生み出し、その難局を乗り越えた。
大型補強によりバルセロナは快進撃を始め、レバンドフスキはスペインリーグ初年度とは思えないような活躍ぶりを見せ、8試合9ゴールと大爆発し、得点ランキングトップに立っている。また、堅固な守備でここまで1失点しか許しておらず、現在7連勝中、そしてここ6試合連続無失点と素晴らしいスタートを切っている。
しかし先月下旬の国際Aマッチ期間以降、特にセンターバックに負傷者が続出したことで守備が弱体化。スペインリーグは苦しみながらも、テア・シュテーゲンの好守に助けられ勝ち続けているが、欧州CLでは別の顔をのぞかせている。決勝トーナメント進出に向け、絶対に勝たなければいけなかった12日のインテル・ミラノ戦では守備が崩壊。3失点を喫して3-3で引き分け、1次リーグ4試合1勝1分け2敗の3位となり、2季連続の1次リーグ敗退が濃厚となっている。
守備面に加え、得点面でも陰りが見える。国際Aマッチ期間前までの公式戦8試合では1試合平均2・9得点だったのに対し、その後4試合は1試合平均1・3得点と半分以下に落ち込んでいる。
シャビ監督はクラシコ前日の会見で、インテル・ミラノ戦に引き分けたことがクラシコに影響するかを問われると、「昨季のクラシコも悪い状況で迎え、我々にとって試練となったが、最終的に4-0で勝利することができた」と問題ないことを強調していた。
■ビニシウス好調リーグ5得点
クラシコに向け、Rマドリードはクルトワを除きベストメンバーで臨むことができそうだ。
システムは4-3-3で、予想メンバーはGK=ルニン、DF=カルバハル、ミリトン、アラバ、メンディ、MF=モドリッチ、チュアメニ、クロース、FW=バルベルデ、ベンゼマ、ビニシウス。
ここまでスペインリーグで5ゴールを決めチーム得点王のビニシウスに大きな期待がかかり、バロンドール2022の最有力候補に挙がるベンゼマの復活が待たれている。ロドリゴは途中出場で流れを変える役割を果たすことになりそうだ。
バルセロナはアラウホ、クリステンセン、ベジェリン、メンフィスが負傷欠場し、引き続きDF陣に問題を抱える中、クンデが招集メンバー入りしたことは朗報だ。
クラシコに向けたシステムは4-3-3で、予想メンバーはGK=テア・シュテーゲン、DF=バルデ、クンデ、エリク・ガルシア、マルコス・アロンソ、MF=ガビ、ブスケツ、ペドリ、FW=デンベレ、レバンドフスキ、ラフィーニャ。
しかしDFラインに関して、クンデの右サイドバックやマルコス・アロンソのCBなど、シャビ監督にはビニシウス対策を含めさまざまなオプションがあると思われる。そしてドイツ時代、Rマドリード相手に8試合で6得点を挙げているレバンドフスキに注目が集まるだろう。
今季最初のクラシコ、欧州CLの悪いイメージを払拭してバルセロナが首位の座をキープするのか、Rマドリードが無敗を維持し、クラブ史上初の6冠目指して突き進むのか。非常に楽しみな一戦となる。
【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)


