レアル・ソシエダードが23-24年シーズン開幕に向け、先月10日にプレシーズンを開始した。
■主力が抜け新加入まだ1人
今季、10シーズンぶりに欧州チャンピオンズリーグ(CL)に挑戦する中、3季にわたり大黒柱としてチームを支えた37歳のシルバがプレシーズンの練習中に左ひざ前十字靭帯(じんたい)断裂の重傷を負い、現役引退したことが大きな問題となっている。
また補強面に目を向けると、イジャラメンディ、ゲバラ、セルロート、スビアウレが退団した一方、新加入選手は現時点でマリ代表DFトラオレのみ。欧州最高の大会に久しぶりに臨むにもかかわらず、戦力に大きな上積みがないどころか低下していることも懸念材料と言えるだろう。
クラブはこの状況を解決するため、まずシルバの代役探しに奔走し、マンチェスター・ユナイテッドで昨季出番があまりなかったオランダ代表MFファン・デ・ベークに白羽の矢を立てている。
昨季のチーム得点王セルロート復帰に失敗したセンターフォワードに関しては、ライプチヒのポルトガル代表FWアンドレ・シルバの期限付き移籍が間近と報じられている。また両サイドバックの補強候補にトットナムのスペイン人DFレギロン、レアル・マドリードのスペイン人DFオドリオソラが挙がっているとのことだ。
■プレーシーズンは1勝2敗
チームはここまでプレシーズンマッチ3試合に臨み、その成績は1勝2敗。アルグアシル監督は昨季の後半戦に多用した4-3-3をベースに戦っている。
初戦のオサスナ戦、久保建英は6月の代表戦参加によりプレシーズンの合流が約1週間遅れたためベンチ外。代表選手不在で若手が多く招集され、フランスU-21代表の19歳新鋭、チョーが1-1の同点ゴールを決めるも、最終的に1-3で敗れた。
続く日本代表MF守田英正在籍のスポルティングとの一戦では、大けがにより昨季の大半を棒に振ったサディクが約10カ月ぶりに戦列復帰。今夏初出場となった久保は右ウイングでスタメン入りし、前半のみプレー。引き続き代表選手を何人も欠いたチームは0-3で惨敗を喫した。
スペイン紙ムンド・デポルティボはこの日の久保について、「他の選手より合流が遅く、初戦だったにもかかわらず、フィジカルコンディションが素晴らしかった。ナバーロとうまく連携し、トゥリエンテスにはいいクロスを上げていた。チョーと素晴らしいポジション争いをすることになるだろう」と称賛した。
3戦目はル・ノルマン、ミケル・メリーノ、スビメンディのスペイン代表勢が初出場し、新戦力のトラオレがデビューしたレバークーゼン戦。チームはようやく本来の実力を発揮して前半終了間際にブライス・メンデスがスーパーゴールを記録し、1-0で今夏初勝利を挙げた。
久保は後半17分にチョーとの交代で途中出場し、再び右ウイングでプレー。クラブの地元紙エル・ディアリオ・バスコは、「熱意を持ってチームに戻り、スパイクにボールを縫いつけ相手をいら立たせた」と昨季同様のパフォーマンスの良さを維持していることを評価した。
■スペインリーグ12日に開幕
アルグアシル監督は先月30日に開始した北中米ツアーに向け28人を招集した。トップチーム19人+Bチーム9人で構成される中、退団の可能性があるとうわさされるゴロサベルやリコのサイドバックがメンバー入り。一方、サディクは右足大腿二頭筋の違和感、エルストンドは筋肉系の問題で招集外となった。
レアル・ソシエダードはこの後、2日にメキシコでアトレチコ・マドリード、5日にアメリカでベティスと対戦し、12日から始まるスペインリーグ開幕戦でジローナをホームに迎え、23-24年シーズンをスタートする。
欧州CL参加により、昨季以上にタフなシーズンになると予想される今季に向けて、どれだけ補強できるか、退団した選手たちの穴をいかに埋められるかが成功の鍵となる。
また、ここまでの3試合でアルグアシル監督にテストされている久保と、昨季は度重なるけがに苦しんだが、今夏のプレシーズンで特にいい動きを見せているチョーの右ウイングのポジション争いにも注目が集まることになりそうだ。
【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)


