レアル・ソシエダードは現在、国際Aマッチ期間を過ごしているが、今月は10人が各国代表に招集された。
スペイン代表にル・ノルマン、スビメンディ、ミケル・メリーノ、オヤルサバルが呼ばれた他、以前より代表入り間近と噂されていたレミーロが初招集。そして久保が日本代表、トラオレがマリ代表、サディクがナイジェリア代表、トゥリエンテスがU-21スペイン代表、チョーがU-20フランス代表にそれぞれ選ばれている。
今季、Rソシエダードは主に24人のメンバーで構成されているが、もしティアニー(スコットランド)とアンドレ・シルバ(ポルトガル)がケガをしていなければ、代表選手がチームの半数を占めていた可能性も十分あった。
■昨年のW杯出場は久保だけ
昨年の今頃、代表招集されたのは久保、セルロート(現ビリャレアル)、アンダー世代のチョー、トゥリエンテス、パチェコの5人のみ。そして昨年末のワールドカップ(W杯)カタール大会に参加したのは久保だけだったことから、Rソシエダードがいかに大きく飛躍しているかが分かる。
特筆すべきは一番大きな変化があったスペイン代表だろう。ルイス・エンリケ監督指揮下のW杯では、Rソシエダードから1人も招集されなかった。しかし新監督となったルイス・デ・ラ・フエンテが指揮を執り始めた今年3月以降、徐々に人数が増加し、5回目の活動となった今回、バルセロナ(4人)を上回る、最多5人がメンバー入りするまでになっている。
今月開催の国際Aマッチにレアル・マドリードから9人、アトレチコ・マドリードから10人が各国代表に招集されていることを考えると、Rソシエダードはわずか1年でスペイン屈指の代表選手輩出クラブになったと言える。
この状況を受けてイマノル・アルグアシル監督は、自分たちのやっていることに手応えを感じている旨のコメントをした。
「それは我々にとってとても良い兆候だ。私は以前、もっと多くの選手が呼ばれてほしいと言ったが、少しずつそうなっている。デ・ラ・フエンテはおそらく恥ずかしさもあり、Rソシエダードからあと3人招集しなかったのだろう。でもルイス(デ・ラ・フエンテ)よ、安心してほしい。君が望むなら、我々は5人から8人に増える準備はできている」
アルグアシル監督がこう語るのは、スベルディア、ブライス・メンデス、バレネチェアのスペイン代表入りも近いと見られているからだ。
さらにザハリャンにロシア代表復帰の可能性もあることから、今月スペインリーグ最多となる代表選手14人を輩出しているバルセロナを、Rソシエダードが上回る日がいずれ来るかもしれない。
■アルグアシル監督の手腕
多くの選手が代表に呼ばれている現状は、チームのやってきたことが正当に評価された証しと言える。各選手が調子を上げていることはもちろんだが、アルグアシル監督の手腕が優れていることが最大の要因として挙げられるかもしれない。
選手の気持ちを奮い立たせてパフォーマンスを最大限に引き出し、Rソシエダードの指揮官に正式就任した19-20年シーズン以降、国王杯優勝と3季連続の欧州リーグ(EL)出場権を獲得。昨季はチームをスペインリーグ4位に導き、10季ぶりに欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権を手に入れた。そして今季、同大会で20年ぶりとなる決勝トーナメント進出を決めるなど、十分な結果を残している。
とはいえ、代表選手を多く輩出するのは、今のRソシエダードにとって良いことだけではない。控え選手のレベルが低いとの声も聞こえるチーム状況にもかかわらず、主力選手がごっそり抜けた国際Aマッチ期間中は、まともなチーム練習ができないのだ。さらに久保のように長距離移動を余儀なくされる選手もいる。
今季中に行われた過去2回の国際Aマッチ期間後は幸い、どの選手もけがすることなくチームに戻り、試合結果に大きな影響を与えることはなかった。しかしこの後、スペインリーグ、欧州CL、国王杯の3大会を戦うことによる過密日程により、疲労が蓄積されることは間違いない。
さらに年明け、久保がアジアカップ(1月12日~2月10日、カタール)、トラオレとサディクがアフリカ選手権(1月13日~2月11日、コートジボワール)への参加で不在となる可能性が高い。そうなった場合、チームは特に久保とトラオレが良い関係を築いている右サイドで問題を抱えることになるだろう。
今後、さまざまな問題に直面すると予想される中、アルグアシル監督がどのようにチームをマネージメントし、どのように困難を乗り切るのか、その手腕に注目したい。【高橋智行通信員】


