プレミアリーグには長身で筋骨隆々のDFがそろう。174センチの日本人FWがどう戦うか。

 レスターの岡崎慎司(30)が個人トレーナーの杉本龍勇氏(45)に「化け物みたいなDFに対抗するにはどうすればいいか」と相談したのは昨秋だ。2人の結論はウエートトレーニング。一時は体重を80キロまで増やすなど試行錯誤した。

 陸上競技で1992年バルセロナ五輪に出場した杉本氏は走り方や正しい姿勢でプレーする大切さを教えてきた。今回は股関節周辺と背筋など「体の裏側」を強化するメニューを提案した。

 週1度はジムにこもるようになった効果は、特に相手を背負ったプレーでの余裕に表れる。力みが消え、ターンや細かい動きの切れが増した。試合では中盤でのつなぎ役もこなすようになり、杉本氏も「体重が増えた分の重さもなく、運動量も維持できている」と目を細めた。

 サッカーでは安易な筋肉量増加はリスクがあるとされる。一瞬の動きの鋭さや運動量が失われる危険もあるからだ。それでも岡崎は挑み、向上した。杉本氏は「彼は常に満足しない。どうやって生き残るか、と考え続けてきたから今がある」とたたえた。