欧州王者Rマドリードが今日15日、準決勝で北中米カリブ海王者クラブ・アメリカと対戦する。現役時代に前身のトヨタ杯で2度優勝したジネディーヌ・ジダン監督(44)は監督として初出場。2季ぶりのクラブ世界王座奪還を果たし、名門のプライドを示す覚悟だ。

 鹿島がナシオナル・メデジンを破る番狂わせを起こして決勝進出を決めたことに、公式ホームページでは「鹿島が最初のファイナリストとなった」と反応し「ビデオ判定が大きく左右した試合」と伝えた。その数時間前の会見で指揮官は「もう1試合の内容は気にしていない。明日すべきことに集中している。勝ってファイナルに進む」と、準決勝に集中していた。

 昨季途中の今年1月の就任から51試合でわずか2敗。4月6日の欧州CLウォルフスブルク戦以来、公式戦では35試合連続無敗(26勝9分け)と驚異的な数字を残している。監督経験は浅いが、選手の意思を尊重する姿勢が、短時間で固い信頼関係を築いた。「いつもと変わらない。50試合勝つのにも、1つの試合に集中しないといけない」。2試合でクラブ世界一が決まる今大会も、油断はない。

 名門の看板は重い。「我々はマドリー。いつもマドリーだ。試合に勝つのが使命だ」。真剣なまなざしに自負心がにじむ。来日後は宿泊先ホテルの出入りの際も、100人以上のファンに声援を浴びる。「日本のファンとはいつも離れているので、一緒にプレーや感動を共有できるのをうれしく思う」。鹿島との決勝を約束し“白い巨人”がピッチに立つ。【岡崎悠利】