日本代表MF乾貴士(29)が、18日付のスペイン紙マルカのインタビューに答え、今季限りで退団するエイバルでの3年間について「忘れられない3年だった。エイバルのようなチームでプレーできたことは光栄なことだし、選手として成長する力になった」と振り返った。

 20日のリーグ最終節、アウェーでのAマドリード戦がエイバルでのラストマッチになるが「悲しい。この3年とても良かったし、サヨナラを言う日が近づいているけど、エイバルでの最後の日々を楽しみたい」と話した。

 12日のラスパルマス戦(1-0で勝利)がホームで最後の試合だったが「決して忘れられない特別な瞬間だった。サポーターはとても愛情をくれたし、スタンドには横断幕があったし、チームメートは試合後に胴上げしてくれた。満足して家に帰れた」と、同僚やサポーターらに感謝した。

 エイバル移籍してからリーグ戦での先発が1シーズン目に18試合、2シーズン目に26試合、3シーズン目に31試合と、2シーズン目に飛躍し3シーズン目に不動のレギュラーとなった。「試合に出るためにはボールないところでの動きを改善しなければいけなかった。その部分が2シーズン目で伸びたし、監督は攻撃に関して自由を与えてくれた。今シーズンの頭には全ての面で理解して試合にたくさん出られた」と、スペインでの成長を実感した。

 自身の課題について聞かれると「決定力が自分の弱いところ。まだ成長出来ると思っている。自分のキャリアの中で、いつもゴールよりアシストのプレーが良かった。今シーズンはもっとゴールを決められたと思う」と5得点に終わった今季に不満を持っている。ゴールとアシストどっちが好みか聞かれると「出来るならゴール。アシストよりゴールを決めるほうがうれしいことだから」と話した。

 乾は移籍報道が出たときに、試合後のインタビューでエイバルとの契約延長を示唆していた。だが、今は退団を表明し、ベティスへの移籍が濃厚となっている。「最初はエイバルと契約延長することを決めていた。けれど、よく考えてチームを変えることがベストだと思った。30歳になるし、他の経験をしたいと思った」と移籍に傾いた経緯を説明。さらに「引退した時、日本に戻ることを考えているし、選手として学んだこと全てを伝えていきたい。チームを変えることは自分の知識を増やすのに役立つ。もちろん、エイバルに戻る可能性だってある」と指導者への道を考えていることを明かした。

 エイバルの一番の思い出について「1つに選ぶことは出来ない。サポーター、チームメートの愛情。いつまでも忘れない」と感謝しきり。一番印象に残っている試合については「昨年のアウェーでのビリャレアル戦(0-3で敗戦。乾は左MFでフル出場)。ゴールを決められず、監督にはカミナリをたくさん落とされていた」と活躍できなかった試合を選んだ。

 メンディリバル監督と、試合で出来で面白い罰ゲームをかけていたらしく「いいプレーが出来ていない時、練習ででんぐり返しをする罰があった。監督は自分がゴールを決めた時にでんぐり返しをすることを約束してくれた。良いゴールを決めて監督はでんぐり返しをするしか無かった。面白い瞬間だった」と笑って振り返った。