MF原口元気とFW浅野拓磨が所属するハノーバーのトーマス・ドル監督は、16日に行われたアウクスブルク戦後に、判定に納得できず主審を罵倒したと、17日付の独紙ビルトが報じた。

務めたマルクス・グレーフェに激しく詰め寄ったと17日付ビルト紙が報じた。

現在17位と2部自動降格圏内にいるハノーバーにとって、15位アウクスブルク戦での勝利は1部残留へ向けて、是が非でも勝利が必要だった。前半に先制にしたものの、後半に3失点を喫して痛恨の逆転負けとなった。

ドル監督の逆鱗(げきりん)に触れたのは後半33分のシーンだったという。DFゾルクが相手FWコルドバとの競り合いで転倒した際に、ファウルをアピールしながらボールを手で持った。この接触プレーにグレーフェ主審はソルクのハンドを取って、アウクスブルクのFKとした。この直接FKが失点につながってしまった。

試合後、控室に戻る廊下でドル監督が主審をののしれば、同主審は「そのいい方は高慢だ」と反撃。激しい口論が始まったという。試合後、1時間がたってもドル監督の怒りは収まらない。「(主審は)自分のことを1回り、2回り大きい存在だと思い上がっているのだろう。感情的になる状況だったら収めるようにすべきで、膨らまそうとすべきではない」と、主審の態度に怒り心頭だった。

一方でグレーフェ主審は「向こうが私の所にきて『お前のせいで負けた』と言われたら、それは説明のしようもない。理由を話そうとしたが、受け入れようとせずに『ぶつぶつ言ってるだけだ』と返してくる。そのようなやり方を、私も受け入れることはできない。問題のシーンをもう1度モニターで確認したが、あれはファウルではない」と説明していた。

ドル監督も最後には「次に会った時は手を指し出すだろう。我々はスポーツマンだ」と理性を取り戻していた。そもそもファウルの笛を吹かれていないのにボールを手で持ってしまったこと、壁を1人しか置かずにいたことなど、改善点はほかにもあったはず。取り組むべきところは他にある。

(中野吉之伴通信員)