フランス1部パリサンジェルマンは、2年前にバルセロナから2億2200万ユーロ(約278億万円)という史上最高額で獲得したブラジル代表FWネイマール(27)の放出について隠そうともしなくなっている。

実際、クラブのスポーツディレクターを務めるレオナルド氏は10日、「未来を明確にすることが全員にとって重要だ。ネイマールの交渉は以前よりも進んでいるが、合意したわけではない」とコメント。具体的なチーム名を挙げることを避けながらも、退団の可能性をにおわせた。さらに7月8日のフランス紙ル・パリジャンのインタビューで同氏は「もし、みんなを納得させるオファーがあれば退団する可能性はあるだろう」とも語っている。

ネイマールは現在、自身の将来が明らかになるのを待ちつつ、パリサンジェルマンでチームメートと一緒に練習を継続している。スペイン紙アスは11日、プレミアリーグの移籍市場が閉鎖したため、ネイマールのような大物との契約を実現できるのは、バルセロナとRマドリードしか存在しないと報じている。

また両チームの攻撃陣を比較した場合、メッシ、スアレス、グリーズマン、デンベレ、コウチーニョなど前線に十分な戦力を備えるバルセロナよりも、Rマドリードの方がうまくフィットすると分析している。

しかし、ネイマールの第1希望は古巣バルセロナに戻ること。その一方、パリサンジェルマンはバルセロナとの関係性が壊れているため、ネイマールを移籍させる場合はRマドリードを優先させると報じている。

ネイマールは今シーズン、すでにレンヌ相手に優勝を成し遂げたフランス・スーパー杯を出場停止で欠場し、11日にニームと対戦するリーグ開幕戦も招集外。いまだ1度もプレーしていない。

開幕戦欠場の理由について、レオナルド氏は「クラブの決定」としている。一方、トゥヘル監督は「けがから復帰してまだ1週間。練習を完全にはやっていない。プレーする準備ができていない」と説明した。

スペインの移籍市場が閉鎖するのは9月2日。Xデーまでにどのような動きがあるか、今後もその動向を見守る必要がある。

(高橋智行通信員)