ハノーバーの日本代表MF原口元気(28)はホームでのニュルンベルク戦にフル出場した。

左FWで先発。前半22分、タッチライン際のこぼれ球に食らいついて味方につなぎ、同24分にも中盤でスライディングタックルからボールを奪うなど、守備でも貢献した。攻撃面では高いキープ力を見せ、左サイドの高めの位置で起点となった一方、前半12分のグラウンダーのセンタリング以外は決定的なシーンに絡むことはできなかった。前半は3点ビハインドで折り返した。

後半からはポジションを右サイドバックへ移し、無難に対応。2試合連続のフル出場を果たしたが、チームは0-4で大敗した。

原口の試合後の一問一答は次の通り。

-こんなに簡単に一発の攻撃で点を取られてしまうと、さすがに厳しい。

原口 前節良かっただけに、その流れで行きたかったし、内容的には、やろうとしてることは前よりも、勝ったというのもあって、はっきりしていたし。改善はされてるのに、なぜこうなったのかって感じ。どちらかっていうと、めちゃくちゃひどいっていう感じではなく、向こうのちょっとした幸運、まぁ、向こうはショートカウンター狙ってたりとか、あんまりプレッシャーかけずにけっこう引いてきたので、狙いだったとしてもうまくいきすぎてた部分はあったし。2失点目、3失点目とか。1失点目もセットプレーだったし。感覚が悪くないだけにもどかしい、自分自身。ずっと前(のポジション)でやりたいし。左の前で出続けたいなっていうのはあるので。こうなってくるとちょっと去年の二の舞いになるなっていうのはあるし。なんかあと1歩って感じなんすけどね。

-左FWだけでなく、右SBとしても使ってもらえる。それはある意味で、監督が信頼している証拠でもある。しかし、「前で出続けたい」という思いがあるのなら、それはそれで苦しさみたいなものもある?

原口 去年のような失敗はしたくない…ですね。(自分が)後ろもできちゃうから。(チームが)点を取りたい時に、さらに攻撃的な選手を入れて、(自分を)後ろ(のポジション)に下げるっていうのは去年もよくあったし。でもそこで結局プレーはできるけど、自分がどこの選手かっていったらやっぱり前の選手だと思うし。そこで違いを作っていかなきゃいけないっていうのはあるので。前半の感じでやれたら、後半はチャンスあったかなと思いましたけど。しょうがないね。

-左FWで出た時の感触は?

原口 悪くはないし、ボールフィーリングも、コンディションもいいので。気持ちよく仕掛けられるシーンがあればいいんですけどね。なかなかそういう形を作れないし、相手も(前節のハノーバー対)キール戦をしっかり研究してきて、自分たちが気持ちよくプレーできないようにやってきたので。まぁちょっと、予想外だったかな。向こうが引いてきたことが。仕方ないので、次ですね。

-中盤をアオゴ、シュテンデラ、プリプの3人に固定してからチームが安定してきたように感じるが。

原口 うん、いなかったからね、ボール持てるやつが。シュテンデラとかアオゴとか。まぁエドガー(・プリプ)も持てるんで、ある程度は。うーん…。そこに、もうちょっとうまく良い形で受けたいけど、結構監督が『(サイドに)張ってろ』っていう指示が多いから。張っててもいいんだけど、なかなか対面の相手も(昨年ハノーバーでチームメートだった)オリバー(・ゾルク)だったんで、結構自分の特長を分かっていて(べったりと)ついてきて、なかなかスペースを作らせてもらえなかったし。裏のボールに対しても(ニュルンベルクの)CBが結構いいカバーをしてたんで。なかなか、隙がなかったっていえば隙がなかった、前半は。まぁそれで0-3なんで(苦笑)。それが0-0とか(のまま)でいけば、後半はオープンな展開になったと思うんだけど。まぁ向こうは気持ちよくなっちゃうからね。やっぱり1点目2点目は大事だよね。

▽ハノーバーのスロムカ監督の話 正直に言えば、キールでの素晴らしい勝利を味わった後だけに、今日の選手たちには、ファンのため、クラブのため、順位表で上に浮上するために、激しい闘志と情熱を持って試合に臨んでくれることを期待していた。確かに試合をとおして見れば、我々に運がなかった面もあったかもしれない。しかし今日の我々はあまりにも多くのイージーミスをしていたし、1対1でアグレッシブな姿勢を出せなかった。(鈴木智貴通信員)