スペインリーグは11日に再開されるが、無観客で開催されることにより、ホームアドバンテージが消滅する可能性があるとスペイン紙アスが2日に報じている。

サッカーは通常、サポーターの後押しもあり、ホームチームが圧倒的に有利となっている。実際、スペインでは新型コロナウイルスの影響によるリーグ戦中断前までホーム勝率48%、引き分け率28%、アウェー勝率24%と、ホームチームに大きなアドバンテージがあった。

そのような状況の中、圧倒的に不利なアウェーで最も勝ち点を稼いでいるのはレアル・マドリードで勝ち点25(14試合7勝4分け3敗)。これにセビリアが同24、ヘタフェが同21、レアル・ソシエダードが同20、バルセロナが同18、アトレティコ・マドリードとビリャレアルが同16で続いている。

日本人選手所属クラブの成績を見てみると、久保建英のマジョルカの今季リーグ戦成績は27試合7勝4分け16敗の勝ち点25で18位。ホーム成績は14試合6勝2分け6敗の勝ち点20で14位。一方、アウェー成績は13試合1勝2分け10敗の勝ち点5で最下位となっている。

乾貴士のエイバルの成績は27試合7勝6分け14敗の勝ち点27で16位。ホーム成績は14試合6勝1分け7敗の勝ち点19で16位。一方、アウェー成績は13試合1勝5分け7敗の勝ち点8でマジョルカの1つ上の19位となっている。

その他の欧州5大リーグもスペインと似たようなデータを示している。すでに中止が決定しているリーグアン(フランス)、プレミアリーグ(イングランド)、ブンデスリーガ(ドイツ)、セリエA(イタリア)も全てホームチームの勝率が高い。この中でセリエAがホームとアウェーの勝率がそれぞれ40%と37%で最も拮抗(きっこう)しているリーグとなっている。

しかし、一足早く再開したブンデスリーガの成績に大きな変化が出ている。リーグ戦中断前の成績はホーム勝率43%、引き分け率23%、アウェー勝率35%だった。それが再開後の2節はホーム勝率22%、引き分け率28%、アウェー勝率50%と、ホームアドバンテージが消滅。これにより他国でも同じような状況が生まれる可能性が大いにあると推測される。

そのため、ホームで多くの勝ち点を獲得しているマジョルカやエイバルはともに、リーグ戦再開後、味方の応援を受けられないことが今後の成績に大きな影響を及ぼすことになるかもしれない。

 

・新型コロナウイルス中断前のリーグ戦勝率

スペイン ホーム勝率48%、引き分け率28%、アウェー勝率24%

 

フランス ホーム勝率48%、引き分け率25%、アウェー勝率27%

 

イングランド ホーム勝率45%、引き分け率25%、アウェー勝率30%

 

ドイツ ホーム勝率43%、引き分け率23%、アウェー勝率35%

 

イタリア ホーム勝率40%、引き分け率23%、アウェー勝率37%

 

・新型コロナウイルス再開後のリーグ戦勝率

ドイツ ホーム勝率22%、引き分け率28%、アウェー勝率50%

 

(高橋智行通信員)