イングランド2部で今季24点を挙げ、得点王争いでトップを走るブレントフォードのFWイバン・トニー(24)が、試合前に片膝をつくルーティンに疑問を呈した。

これは「ブラック・ライブズ・マター(黒人に対する暴力や人種差別の撤廃を訴える運動)」を支持するジェスチャーとして、世界の多くのリーグで取り入れられている。

ESPN電子版によると、ブレントフォードは選手たちの話し合いの末、今後は片膝をつくルーティンは行わないと決定。2月13日付の声明で発表した。

トニーは「膝つき」を行わない理由として、同行為が形だけのものになってしまっており、人種差別が横行する現状はまったく変わっていないと説明。「自分たちは(リーグ上層部から)操り人形のように扱われている。膝さえつけば、上の方の人間はひとまず安心だ。だが現状は何も変わっていない。ばかげた話だし、無意味だ」と話した。同様のことはクリスタルパレスのFWザハも主張している。

トニーは膝つきの代わりに人種差別に対する罰則の強化と、教育の大事さを訴えた。今年1月にオンラインで人種差別を受け、警察へ通報したこともあるトニーは、SNSでアカウントをつくる際に身分証明が必要となるような仕組みが必要だとも話した。

「ツイッターでもフェイスブックでも、利用する際には身分証明が必要であるべきだ。何か起きれば、それが誰によって、どこで行われたのかがすぐに分かるのだから」。

ブレントフォードは声明の中で、今後も膝つきとは別の形で人種差別と戦っていくと宣言。「あらゆる差別をなくすため、今後もさらなる行動が必要。我々はブレントフォードの、サッカー界の、そしてより広いコミュニティーの一員として、それに参加していく」としている。