マンチェスター・シティー(イングランド)が初の決勝進出を決めた。パリ・サンジェルマン(フランス)を2-0で下し、2戦合計4-1と突き放した。2得点はいずれも速攻からマレズが決めた。悲願の欧州制覇を目指し、グアルディオラ監督を招いて5シーズン目で、やっと最終決戦への切符を勝ち取った。ここまで難敵を破ってきたパリSGは負傷のエムバペが出場できず、2季連続の決勝進出はならなかった。決勝は29日にイスタンブールで行われる。

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グアルディオラ監督にとっては格別な勝利だろう。「欧州CLで決勝に残ることは難しいこと。相手の質などを考えても、最もタフな戦いを強いられる」。バルセロナで2度の欧州制覇も、バイエルン・ミュンヘンでは2季準決勝敗退。資金力を背景にタレント軍団となったマンCに“若き名将”として迎えられたが、昨季まで3季連続で準々決勝どまりだっただけに、言葉に重みがある。「それを我々は成し遂げた。今の我々は決勝を戦うのに値する」と喜びとともに安堵(あんど)があったはずだ。

ボール支配重視の攻撃サッカーが持ち味だが、この日は速攻とペナルティーエリア内の堅守が際立った。先制点はGKからの約70メートルのロングキックを起点に一気に攻め込み、最後はマレズが決めた。マレズは「速攻は本来計画していたものではない」としつつ、一連のプレーは「いつも練習していた。それが今日、生きた」と明かした。

守っては、14本のシュートを浴びながら、枠内シュートはゼロに抑えた。DF陣の体を張ったブロック、シュートコースを消す動きが、相手に圧力を与えた。そんなDF陣をサポートしたことで、指揮官は守備的MFフェルナンジーニョを高評価。同選手はこの日が36歳の誕生日で「本当に素晴らしかった。大きなプレゼントだ。彼は悪い状況の中でもチームを引っ張り、卓越した主将であり続けている」と称賛した。

同時に司令塔デブルイネは存在感抜群で、2点目をアシストした20歳フォーデンは成長著しい。アグエロやスターリングらが控えるベンチの充実ぶりも頼もしい。FA杯こそ準決勝でチェルシーに敗れたが、既に今季はイングランド・リーグ杯で優勝、8日にはプレミアリーグ優勝がかかるチェルシー戦が控える。自信と士気は上がる一方だ。