ビリャレアルは6日にアウェーで行われた欧州リーグ準決勝第2戦でアーセナルと0-0で引き分け、2戦合計2-1、クラブ史上初の決勝進出を果たした。

決勝でマンチェスター・ユナイテッドに勝利した場合、ビリャレアルは欧州連盟(UEFA)主催大会史上、欧州タイトルを獲得する最も人口の少ない町のクラブになると、スペイン紙アスが8日に伝えている。

ビリャレアルの人口は5万1293人。かつてこんなに人口の少ない町のクラブが欧州カップ戦のタイトルを獲得したことはないとのこと。

過去、モナコ(3万人)やフランスのバスティア(4万3000人)が優勝に大きく近づいたことはあったが、それぞれ決勝で敗れている。

モナコは1992年にカップウィナーズカップでブレーメン、2004年に欧州チャンピオンズリーグでポルトに、バスティアは1978年にUEFAカップでPSVアイントホーフェンにそれぞれ敗北を喫していた。

ビリャレアルは1990年代後半までスペイン1部リーグに属したことは1度もなかった。1997年にフェルナンド・ロッチ氏が会長就任後、劇的な変化を遂げ、1998-99シーズンに初めて1部リーグでプレーした。

それまでは近隣のクラブとのダービーマッチがビリャレアルにとってのビッグゲームだったが、現在もクラブ会長を務めるフェルナンド・ロッチ氏到来後、ミュンヘン、ローマ、パリ、ミラノ、ロンドン、リバプール、リヨン、モスクワなど、ビリャレアルの人口全てを収容できてしまうほど大きなスタジアムを所有する、欧州の大都市のクラブと競うまでに成長している。

欧州リーグ決勝は今月26日。マンチェスター・ユナイテッド相手に、人口約5万人の町の人々の夢がかなうか、大いに注目される。(高橋智行通信員)