バルセロナは現在、来季の監督人事の仕事に取り組んでいるものの、不透明な状況が続いている。ジョアン・ラポルタ会長が25日にロナルド・クーマン監督(58)と来季の去就についての会議を約30分間実施したが、何も決定しなかったとスペインのさまざまなメディアに報じられていた。

そんな中、バルセロナの地元テレビ局TV3はラポルタ会長がその会議の際、クラブが新プロジェクトを開始するのに監督交代が必須であるため、新監督を探すことをクーマンに告げたと伝えている。新監督候補と交渉するために15日間の猶予をもらえるようにクーマンに要請したとのことだ。

すなわちクラブがその間の交渉すべてに失敗した場合のみ、クーマンが来季もバルセロナ監督を続投することになると同メディアは伝えている。

当然のことながら、クーマンはこのことを快く思っていないという。事実上、最後の選択肢とみられていることに失望しており、自分のバルセロナでのキャリアを考慮すると、このような扱いを受けるに値しておらず、クラブが自分への敬意を欠いていると感じているとのことである。

現在、クーマンの後任の最有力候補として、2023年までアル・サッドと契約を結んでいるシャビ・エルナンデスが挙がっているものの、さまざまな意見が出ているとのこと。監督としての経験不足や古株の選手たちとの友情がチームを率いる上でネックになると懸念される一方、下部組織出身でクラブのDNAを備えていることが大きな利点になるとみられており、議論になっているという。

またバルセロナはあと1年残るクーマンとの契約を今夏解約した場合、違約金として約800万ユーロ(約10億4000万円)の支払いが発生する。

(高橋智行通信員)