22年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアンバサダーを務める元オーストラリア代表FWティム・ケーヒル氏(41)が2日までに日刊スポーツの単独取材に応じ、7日(日本時間8日)にドーハで中国と対戦する日本代表を歓迎した。

現在カタールのアスリート育成機関「アスパイア・アカデミー」のチーフ・スポーツ・オフィサーを務め、U-16同国代表の助監督として指導しながら、自らは欧州サッカー連盟(UEFA)のコーチングライセンス取得のために勉強しているケーヒル氏。まず「東京五輪の成功おめでとう。パンデミックの中で素晴らしいトーナメントだったと思う」と日本へ祝福の意を表した。

その上で、東京五輪サッカー競技が開催された環境にも言及。日本代表は猛暑の中での連戦で、最後は遠藤、田中のダブルボランチが疲弊し、メダルに届かなかった。カタールでも暑さが懸念されるが、ケーヒル氏は「とても快適に、素晴らしい環境でプレーできると思う」と太鼓判を押した。

9月のカタールの気候は平均最高気温が37度。この1週間は連日、最高気温が40度を超えると予想されている。だが中国戦の会場となるハリファ国際スタジアムを含めて、22年W杯で使用されるスタジアムのほとんどに最新鋭のクーラーシステムが設置されている。「外は汗がしたたるくらい暑いけど、スタジアムの中はすごく涼しくて、外で脱いだジャケットをもう1度着るくらい。自分が現役のころ、日本、オーストラリア、サウジアラビア、UAE、カタールと暑い中でプレーしたけど、こんなに素晴らしいシステムを使って試合ができるのは幸運なことだと思う」と説明した。

ケーヒル氏はこれまでも日本とのつながりを大事にし、日本のファンに感謝してきた。「日本とオーストラリアは友好的なライバル関係だと思っている。1番最近日本でプレーした時のことを覚えているけど、ゴールを決めた相手チームの選手に拍手をしてれる国はなかなかないよ」と振り返り、プレミアリーグで出番を求めて苦闘が続く南野拓実(リバプール)についても話は及んだ。

ケーヒル氏自身、リバプールのライバル、エバートンでプレーし、プレミアリーグで出場機会を得ることがどれほど難しいかは理解している。それでも南野に向けて「サッカーに取り組む姿勢、意気込みは素晴らしい。戦い続け、チャレンジし続けてほしい。クロップ監督自らが希望して契約したということが、南野に対する評価の大きさを表していると思う。チャンスは与えられるはず。何が足りないということではなく、プレミアリーグ最大のクラブの1つに所属することはそういうものだと考えて、前向きに練習から取り組んでほしい。あのチアゴ・アルカンタラですらなかなか出場できないのだから。南野は日本、アジアを代表する選手だし、活躍を楽しみにしている」とエールを送った。【千葉修宏】