フランス1部パリ・サンジェルマンが、レアル・マドリードのブラジル代表FWビニシウス(21)に獲得オファーを出したものの、実現しなかったとスペイン・マルカ紙が19日に報じた。

同紙によると、パリSGはビニシウスに対し、24年6月30日で満了するRマドリードとの契約を延長しないようしつこく求めたという。そして2年後に移籍金なしで入団した場合の年俸として、手取り4000万ユーロ(約56億円)を提示した。これは現在の年俸の12倍、レアルと契約延長した場合に支払われる予定の年俸の4倍にあたる金額だ。

さらにこのオファーには莫大(ばくだい)な契約金および、パリSGを事実上所有しているカタールでの大きなビジネスチャンスが与えられる内容も含まれていた。しかしビニシウスは年俸に関係なく、Rマドリードでプレーを続け、成功を収めることしか考えていないため、今年3月を最後にパリSGからの連絡が途絶えたもようだ。

またこれまでリバプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドといったプレミアリーグの強豪も好条件のオファーを出してきたが、ビニシウスはパリSGと同じ理由で断ってきたという。

現時点でビニシウスはRマドリードとの契約延長に近づいている。同FWの代理人がRマドリードに対し、年俸手取り1000万ユーロ(約14億円)で26年まで契約延長するプランと、年俸手取り1200万ユーロ(約16億8000万円)で27年まで延長するプランの2つを提案したという。

契約解除金は10億ユーロ(約1400億円)に値上がりしており、契約延長ボーナスも支払われる予定。ビニシウスが少なくとも今後5年前後、Rマドリードにとどまるのは確実のようだ。(高橋智行通信員)