J2アルビレックス新潟は8日、MF本間至恩(21)が、欧州クラブへ完全移籍することを発表した。

クラブ名は明らかにされなかったが複数関係者の話から、移籍先は昨季ベルギーリーグ1部を3連覇し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)本戦からの出場を決めている「クラブ・ブリュージュ」とみられる。この日にチーム活動から離れた本間は近日中に渡欧し、メディカルチェック等を済ませた後、正式契約を結ぶ見込みとなっている。

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新潟の“至宝”が海を渡る。新潟はこの日、欧州クラブへの完全移籍でクラブ間の基本合意に達したと明らかにした。

本間「欧州クラブへの移籍に挑戦するため、アルビレックス新潟を離れる決断をしました。U-15からオレンジ色のユニホームに袖を通して9年半の間、自分を成長させてくれたクラブに心から感謝しています。新潟で身につけたすべてのことに自信を持って、世界に挑戦してきます」

本間はかねて、海外でのプレーを目指していた。移籍先にはベルギーのシントトロイデンも候補に挙がっていた。移籍先クラブ名は明らかにされなかったが、5季連続で欧州CLへの本戦出場を決めている名門「クラブ・ブリュージュ」が最有力となっている。

新潟の下部組織出身の本間はスピードと卓越したドリブルが武器。高校2年の17年4月にトップチームに2種登録され、同年5月31日のルヴァン杯神戸戦でクラブ史上最年少で公式戦デビュー。リーグ戦デビューとなった18年9月15日のホームJ2金沢戦で初得点をマークした。

20年からは背番号10を背負ってプレー。今季はここまで22試合に出場し、5得点6アシストとJ1自動昇格圏の2位につけるチームをけん引していた。

本間「J1昇格争いの中でチームを離れることへの申し訳なさや、つらい気持ちもありますが自分自身のサッカー人生において、少しでも上に行くための挑戦を選択しました。自分のような小さな体でも世界で戦えることを示したいですし、これまで支えてくださった方々へ恩返しができるように精いっぱい頑張ってきます」

ベルギーリーグ1部は7月23日にリーグ戦が開幕する。新潟での活動をこの日で離れた本間は、近日中に新天地に飛ぶ。

◆本間至恩(ほんま・しおん)2000年(平12)8月9日生まれ、新潟市出身。13年に新潟U-15に加入し、高2の17年4月にトップチームに2種登録。同年5月31日のルヴァン杯神戸戦で16歳9カ月のクラブ最年少で公式戦デビュー。18年9月15日の金沢戦でリーグ戦初出場初得点。18歳1カ月での得点はクラブのリーグ戦最年少記録。J2通算123試合21得点。ルヴァン杯通算5試合0得点。164センチ、59キロ。背番号は10。

◆クラブ・ブリュージュ 1891年創設。ベルギー・ブリュージュに本拠地を置き、1959年から1部リーグに在籍し続ける名門。リーグ3連覇中で、これまで18度の優勝を誇る。ベルギー杯では歴代最多11度優勝。欧州チャンピオンズリーグ(CL)の前身大会の欧州チャンピオンズ杯で77-78年に準優勝し、ベルギー勢で唯一のCL決勝進出チームとなっている。チームカラーは青と黒。

◆新潟から欧州クラブへ移籍 FW矢野貴章(現J2栃木)が10年W杯南アフリカ大会後にドイツ1部フライブルクへ移籍。11年のシーズン終了後にはDF酒井高徳(現J1神戸)がドイツ1部シュツットガルトに期限付き移籍し、13年1月から完全移籍となった。新潟で背番号10を背負ったMF田中亜土夢は15年にフィンランド1部HJKヘルシンキへ移籍し、現在も同クラブでプレーしている。