全米女子サッカーリーグ全体のセクハラ問題に関し、アメリカサッカー連盟が第三者機関へ委託した調査結果が3日、公表された。

調査はサリー・イエーツ元司法副長官が主導し1年にわたり行われた。調査では「虐待と不正行為が複数のチームにまたがり、組織的なものとなっていた。言葉による虐待的な指導を常態化し、コーチと選手の間の境界をあいまいにしている」と結論づけた。

長年のNWSLで指導したポール・ライリー氏へのセクハラ疑惑を発端に、選手らがリーグに説明責任を求め、第三者機関への調査につながった。

報告書では、昨年解雇になったクリスティ・ホリー元レーシングルイビル監督の新たな疑惑も含まれていた。男性監督であるホリー氏はある選手に「パスを1本失敗するごとに体を触る」「ズボンの下とシャツの上に手を押し付ける」と告げ、女性選手は泣き崩れたという。また、性的な写真やメッセージを送るセクハラ行為も確認された。

調査チームは、現役および元選手ら200人以上にヒアリングした。「執拗(しつよう)で卑劣な暴言、パフォーマンス向上ではなく権力による操作、名乗り出ようとした人への報復などの報告を次々に聞いた」とし「選手の報告や証拠があっても、対処を怠った。その結果、虐待を行ったコーチはチームを転々とし、疑惑は隠蔽(いんぺい)された。リーグも連盟も沈黙を守り、誰もコーチの改善を求めなかった」と非難した。