スペインリーグのハビエル・テバス会長が24日、レアル・マドリードのブラジル代表FWビニシウスに関するツイートが誤解を招いたと謝罪した。その上でリーグには権限がないため、スペイン連盟がもっと努力して人種差別と闘うべきだと主張した。

21日のバレンシア-Rマドリード戦の後半、ビニシウスがバレンシアサポーターから人種差別的虐待を受けたとし、試合が中断された。

試合後、ビニシウスは自身のSNSに「スペインリーグでは人種差別は普通のことだ」と記し「ブラジルでは、スペインは人種差別主義者の国として知られている」とも書き込んだ。

これに対してテバス会長がツイッターで反論。「スペインもスペインリーグも人種差別主義者ではない。そう言うのは非常にアンフェアだ。スペインリーグでは力の限り人種差別を糾弾し、対策に取り組んでいる」などとした。

この反論が炎上したため、テバス会長は24日に釈明。「私のメッセージの重要な部分が、特にブラジルで理解されなかったと思うので、私は謝らなければならない。私の意図はビニシウスを攻撃することではない。ビニシウスもちょうど1カ月前にスペインリーグの人種差別に反対するアクションを支持するビデオを作ってくれていた」などと話した。

さらにテバス会長は、スペイン連盟側が何もしていないと非難。もしリーグ側がスタジアム内で行動を起こす権限を持っていれば、人種差別やゲイを中傷するチャントの問題は「数カ月以内に解決する」と述べた。

同会長は「今シーズン、人種差別的な侮辱は9回報告されている。そのうち8回はビニシウスに対する侮辱だ。我々は常にこのような人物を特定し、関連機関に苦情を申し立てている。どんなに数が少なくても、我々は常に容赦しない」と主張。その上で「連盟とリーグは別の組織。サポーターをスタジアムから追放する権限は私たちにはなく、連盟が持っている。もし、違反者を制裁し、罰する権限があれば、私たちは行動を起こすだろう」などと説明した。

一方スペイン連盟のルイス・ルビアレス会長は22日に、スペインに人種差別問題があることを認め、差別を行ったファンへの制裁と処罰を呼びかけた。同連盟は26日、バレンシアの南スタンドが5試合にわたって部分的に閉鎖されると発表した。

ビニシウスはバレンシア戦で、相手選手たちとの小競り合いで首をつかまれたように見えた後、相手を殴ったとして、後半ロスタイムに主審から退場を宣告された。スペイン連盟によってこのレッドカードは取り消され、バレンシアには罰金が科せられた。