サッカー・プレミアリーグのチェルシーが、今季GK川島永嗣、MF鈴木唯人が所属したフランス1部ストラスブールの株式の過半数を購入することになった。複数クラブを持つプロジェクトを始動させることは、チェルシーの共同オーナーであるトッド・ボーリー氏らにとって後押しとなりそうだ。

当初の予想では、チェルシーはストラスブールの少数株主となることを余儀なくされ、同クラブを完全に支配することはできないだろうとみられていた。関係者はチェルシーにとってそのような取引にメリットがあるのか疑問を呈し、さらなる話し合いが行われた。

その結果、出資比率は不明だが、チェルシーが株式100%近くを保有することが決定的となった。フランスの報道では、チェルシーは7500万ユーロ(約113億円)を支払うとされている。

チェルシーのオーナーグループであるBlueCoは声明を発表。ストラスブールの“買収”について「この歴史あるクラブの一員となることは、我々にとって名誉なことだ」と語った。「ストラスブールの遺産を守ることに全力を注いでいる」とし、今回の買収は「欧州サッカー界における我々の存在感をさらに高める」ためのものであり、「知識と専門知識を共有する大きな機会を創出する」と述べた。

ボーリー氏は複数クラブをコントロールすることについて「チェルシーのピッチに立つまでの道筋を若いスーパースターたちに示すことができるし、実際の試合にも出場させることができる」と語っている。ストラスブールを傘下に収めることで、チェルシーは世界最高の選手を輩出し続ける国で足場を固めることもできる。

マンチェスター・シティーの親会社であるシティー・フットボール・グループは、世界中にサテライトクラブを持っている。ブライトンのオーナーであるトニー・ブルームは、ベルギーのサンジロワーズを所有している。今シーズン、ブライトンで活躍した三苫薫は、昨シーズン、サンジロワーズに期限付き移籍して活躍した。

欧州サッカー連盟(UEFA)のチェフェリン会長は最近、同じオーナーを持つクラブが同じヨーロッパの大会でプレーする際の制限を緩和することをほのめかした。規制の変更はチェルシーのオーナーにとっても追い風となるだろう。