女子FIFAワールドカップ(W杯)の開幕戦を、初めて日本人審判団が担当した。山下良美主審、坊薗真琴、手代木直美両副審が務めた。

昨年の男子W杯カタール大会にも派遣された山下主審は、出国前に「今回3人で参加できるので、3人で力を合わせて、その力を最大限に出すことができるようにしたい。それをすることが責任だと思うし、その責任を感じながらやりたい」と語っていた。

その言葉通り、開幕戦の独特な雰囲気にのまれることなく、りりしい表情、毅然(きぜん)とした態度で、副審と協力しながら主審を務め上げた。NHK BS1で解説を務めた三菱重工浦和DF安藤梢も「かっこいいですよね~。常に冷静にレフェリングしていて、誇らしいですよね」とコメントしていた。

開催国ニュージーランドのホームということで、前半は際どい判定に対してブーイングなどもあったが、徐々にゲームを落ち着かせた。

試合終了間際、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でニュージーランドのPKを判定する場面では、会場に英語でアナウンス。冷静な対応でゲームを引き締めた。「大会の成功に向けて全力を尽くしたい」。その思い通り、大会の好スタートに貢献した。