23年女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会決勝トーナメント1回戦で米国(FIFAランキング1位)を破ったスウェーデン(同3位)のゲルハルトソン監督の大会前のインタビューが、今になって話題となっている。

「スウェーデンが長い間待ち望んでいる国際的なトロフィーを手にするためには、何が必要か?」と聞かれた同監督は「次のステップはPKを決めることだ」と話したのだ。その言葉通り、スウェーデンはPK戦の末に米国を破り、なでしこジャパンとの準々決勝へコマを進めた。

スウェーデンは過去10年以上、大きな大会で僅差で涙をのんできた。

21年東京五輪決勝でカナダにPK戦で敗れた。19年W杯準決勝オランダ戦では延長で敗退。16年リオ五輪決勝でもドイツに敗れ、13年と昨年の欧州選手権ではいずれも準決勝で敗退した。関係者の多くが落胆するような悲運の物語だ。

だがゲルハルトソン監督の捉え方は違う。「そういうこともある」と、ポジティブに受け止めることを好む。指揮官によれば、スウェーデンがコンスタントに上位の成績を残していれば、いつかは彼が言うところの「勝利の方程式」を手にすることができると考えている。もしかしたら、それが今大会なのかもしれない。

ゲルハルトソン監督は「キャロライン・セーガーがPKを外した(21年の)オリンピックを見てくれ。もし彼女がPKを決めていたら、昨年のユーロや今回のW杯より良いチームになっていたか? そうとは言えないと思う。そんなことは信じない」。同監督の哲学では運も含めた勝敗・結果と、本当に良いチームであるかどうかは別ものなのだ。

今大会のスウェーデンには昨季女子欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝で決勝ゴールを決めたFWロルフォ(バルセロナ)をはじめ、好選手が数多く名を連ねる。欧州屈指のストライカー、ブラックステニウス(アーセナル)、ヨーロッパで最も安定したセンターバックの1人であるエリクソン(バイエルン・ミュンへン)、マンチェスター・シティーで輝きを増すMFアンゲルダールらだ。

ゲルハルトソン監督はビッグクラブでプレーする選手たちの経験は、代表チームにとって良いことだと考えている。「彼らは大観衆の前でプレーすることに慣れている。それが最も重要なことだ。スウェーデンリーグで90分間プレーするのと、ウォルフスブルクのような(欧州トップの)チームで控え選手としてプレーするのと、どちらが良いかと聞かれれば、(後者の)経験の方が重要だと答える」と話している。

控えで良いかはまた別の話かもしれないが、選手たちがどんどん海外に飛び出し、成長しているという点では、スウェーデンはなでしこジャパンと似たチームなのかもしれない。