サッカー元日本代表で歴代3位の通算50得点、同5位の119試合出場を誇るFW岡崎慎司(37=シントトロイデン)が26日、現役引退を発表した。「一生ダイビングヘッド」を座右の銘に、W杯には10年南アフリカから3大会に出場。イングランド・レスター時代の15-16年シーズンには、世界最高峰プレミアリーグで「奇跡」と称された初優勝に貢献した。近年は膝痛に悩まされ「気付いたら体がボロボロ」で決断。会見はシーズン終了後に行う。

   ◇   ◇   ◇

引退の時は、近づいてきていると感じますか-。

20年8月の、オンラインでのインタビュー。スペインのウエスカに所属していた34歳の岡崎は「うーん、どうやろ…」と少し考え込み、ゆっくり口を開いた。

「本当…昔はギリギリまで(やり切る考え)で。年齢を重ねていったら、トップでやれている感覚がなくなっていったら終わりかなと。サッカー選手としてすべてを背負う気持ちがなくなったら、いつでも辞めよう、って思えるところまで来ているかもしれない。もう100%でできない、って体だったら、すぐ辞めようかなと思います。でも、まだ『全力』でいけますよ」

常にこの『2文字』が根幹だった。清水2年目の06年、サイドバック転向を打診されても毎日最後までシュート練習をし、帰宅後にはアーセナルFWアデバヨール(当時)ら一流FWの動きを深夜まで見て脳に刻み込んだ。08年に結婚を決めた時も「全力で幸せになります」と夫人の前で誓ってみせた。プレミア移籍決定直後の15年7月、都内コンビニに入った際もそう。何の変装もしていないのに誰からも声をかけられずに戻ると「ちょっと声かけられたりするかな、とか思っちゃったりしてましたけど、やっぱり俺、まだまだですね(笑い)。もっと全力で頑張らんと!」。常に自分ののびしろを信じ、最高の結果を追い求めていた。

08年元旦。初詣先の生田神社(兵庫)でおみくじを引いた。「大吉」の結果よりも、「大成する」の言葉に声を弾ませていた。「僕、大成することになっているんですよ。全力でやるしかないっしょ。見ててください」。プロ生活20年。十分過ぎるほど全力で駆け抜け、誰からも愛されるFWとして大成した。【06、08年清水担当、19、20年日本代表担当=浜本卓也】