【ビトリア(スペイン・バスク州)高橋智行通信員】レアル・ソシエダードがアラベスにほとんどチャンスを作らせず、1-0で勝利し、3連勝となった。リーグ戦30試合を終えて13勝10分け7敗の勝ち点49とし、6位の座をキープした。

Rソシエダードは、レギュラーのブライス・メンデスが今季絶望の可能性のあるけが、ル・ノルマンが出場停止で欠場した。4-3-3で臨み、日本代表からの復帰後フィジカル面に問題のあった久保建英だったが、2試合連続で先発出場した。

ゲバラやグリディなどRソシエダードの下部組織出身選手を6人抱え、久保のマジョルカ2期目の指揮官だったルイス・ガルシア監督率いるアラベスのシステムは4-2-3-1。ホームでここ3試合負けなしと好調を維持している。

1日中降り続いていた雨が試合前に止み、アラベスの1部リーグ通算600試合記念セレモニーが行われた後にキックオフ。比較的近場での試合とあり、Rソシエダードサポーターが多数押しかけていた。

立ち上がり、ボールをキープしたのはアウェーのRソシエダードだった。12分にけが明けながらもいい動きを見せたバレネチェアが中盤でボールをカットし、1人かわしてシュートを打つも、惜しくも枠を捉えられなかった。

その後もRソシエダードがチャンスを作り、ブライス・メンデスの代わりを務めたザハリャンが決定機を演出。29分に鮮やかなスルーパスを出し、DF裏に抜け出したオヤルサバルがゴールネットを揺らすも、オフサイドで認められなかった。

30分過ぎにプレーに支障が出るほどのひょうが降り注いだが、ホームサポーターの応援は途切れない。Rソシエダードの攻撃をうまくしのいでいたアラベスは37分、リオハが最初の決定機を得るが、ペナルティーエリア手前からのシュートはポスト外側を叩いた。

その後、42分にアクシデント発生。久保が前線で守備をした際に右足大腿後部を痛めてピッチに倒れ込んだ。最初にアラベスDFハビ・ロペスに右足を伸ばしてもらった後、チームのメディカルスタッフに治療を受けるもプレーを続けられず、観衆の温かい拍手を受けながら、歩いてピッチを去った。

Rソシエダードは前半、素晴らしいパフォーマンスを披露したザハリャンやバレネチェアを中心にシュート数やボール支配率でアラベスを圧倒するも、アラベスの固い守備に手を焼き、枠内シュートを1本も打てなかった。

雨が止み晴れ間が見えた後半もRソシエダードが主導権を握り、9分にザハリャンのCKからパチェコが強烈なヘディングシュートを至近距離から放つが、GKにファインセーブされた。

しかし14分、再びザハリャンがCKのキッカーを務め、ニアサイドに飛び込んだパチェコがヘッドで待望の先制点をチームにもたらせた。

それ以降、Rソシエダードがボールをキープするも、一進一退の攻防が続き、両チームが立て続けに選手交代を行うが、どちらも決定機を作れないまま時間が経過。最後まで危なげなくプレーし、1点差を守り切って勝利した。