日本人初の100メートル9秒台が期待される山県亮太(25=セイコーホールディングス)は決勝で追い風0・9メートルの10秒17だった。

 タイムを確認すると、少し満足いかない表情を浮かべて「もっとタイムを出したかった。実力不足でしたね」と振り返った。3月のオーストラリア遠征で右足首を痛めた影響もあり、世界選手権(ロンドン)代表の座を逃した。銅メダルを獲得した男子400メートルリレーのメンバーらライバル達の走りを「気にしながら、刺激を常に受けてきた。日本代表のメンバーに負けない走りができればとトレーニングしてきた」と話した。

 予選では追い風2・4メートルの参考記録ながら10秒08をマークした。同遠征以来、5走ぶりに10秒0台を出せたことに手応えがある。「久しぶりに0台が出たことはプラス。スピードを体が思い出して、けがなく練習できたら、今シーズン中にも記録は上がる」とうなずく。現在の状態は「8割5分から9割」という。9月の全日本実業団対抗で完全復活した姿を見せる。

 20日は200メートルに出場する。