女子3000メートル障害では伏兵的存在だった米国の白人選手、エマ・コバーン(26)が優勝。世界記録保持者でリオ五輪金メダリストのルス・ジェベト(20=バーレーン)は5位、2年前の北京世界陸上金メダルのハイビン・ジェプケモイ(25=ケニア)も3位と敗れた。

 以前の金メダリストたちも意地を見せてくるはずだ。

 ダイヤモンドリーグとしての勝敗が最も注目されるのは、男子棒高跳びだろう。

 世界記録保持者のルノー・ラビレニ(30=フランス)は、ダイヤモンドリーグが発足した2010年から昨年まで、7年連続で年間チャンピオンに輝いている。今季はここまでの累計得点でサム・ケンドリクス(24=米国)にリードを許しているが、今季から年間チャンピオンは最終戦の優勝者と変更された。

 世界陸上を含め今季無敗のケンドリクスの優位は動かないが、百戦錬磨のラビレニが土壇場で底力を発揮する可能性もある。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、昨年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していたが、今年はファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会が実施され、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ・チャンピオンとなる。各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4または6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計上位8人(種目によっては12人)がファイナル大会に進出。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルのほかダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国毎の出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。