14年横浜国際で10代日本最高記録を出した岩出玲亜(22=ドーム)が、2時間31分10秒で日本人最高の5位だった。今大会は20年東京五輪マラソン代表を決めるグランドチャンピオン(GC)の出場権がかかったレースだったが、岩出は規定タイムの2時間29分00秒を切れなかった。2時間28分39秒のチェイエチ・ダニエル(ケニア)が優勝した。

 25キロ過ぎ。4人の先頭集団を引っ張ってきた岩出が置いていかれた。夏に米アルバカーキで高地トレーニングを積み「心肺機能は良かった」と手応えを持って臨んでいたが、「足が動かなくなった」とずるずると後退した。規定タイムに遅れること約2分強。東京五輪への道は今回、開けなかった。

 14年横浜国際、自己ベストを出した16年名古屋ともに「コースはフラット。(集団の中で)ひたすら我慢するレースだった」。この日は「そのようなレースをするつもりはない」と、スタートから5キロ17分台後半の遅めのペースに、先頭集団を引っ張った。

 強風の中で積極的な展開が、最後は裏目に出た。それでも「いっさい後悔はない。タフなコースで大きな自信につながる」。来年1月、3月には海外を含め、マラソンを走る計画で「今回を次に生かしたい」と前を向いた。