2020年東京オリンピック(五輪)の男女マラソンと競歩のコースについて、国際オリンピック委員会(IOC)が東京から札幌への変更検討の発表から一夜明けた17日、マラソンのスタートとゴールについて、札幌ドームが候補に浮上した。

日本陸連関係者は「まだ決まっていないので」と前置きした上で、札幌の変更になった場合について「警備ができるか、病院があるか。現実的には(毎年夏の)北海道マラソンのコースをかなりの部分使うしかないでしょう」と発言。その上で、スタートとゴールについて「問題になっているチケットのことを考えたらドームを使うしかない。今の席の数からいったら、本来は札幌ドーム」と話した。

マラソンは、収容6万8000人の新国立競技場がスタート、ゴールで、すでにチケットの一次販売を終えている。北海道マラソンのゴールは札幌市内の大通り西8丁目地点。数万人規模の観客を収容できる状況ではない。そのため最大収容5万3820人の札幌ドームが候補となる。

一方で現場のトップである日本陸連の麻場強化委員長は困惑を隠せなかった。「いきなり言われて、どうしていいか、わからない。昨日(陸連の)事務局から連絡あって知った。『え、なにそれ?』という感じ。我々としては決まったところでベストを尽くすしかないんですが、今はまだ決まっていないので。札幌になった場合、どう軌道修正するか、相談したい」とした。東京五輪のコースに準拠して行った「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」で代表に内定した男女2人ずつについては変更なし。「それはそうです。それは絶対にできない。それだけは言えます」と断言した。