「私、失敗しないんで大作戦」。3日に行われる全日本大学駅伝(名古屋・熱田神宮~三重・伊勢神宮=8区間106・8キロ、日刊スポーツ新聞社後援)の監督会見が1日、名古屋市内であった。

連覇を目指す青学大の原晋監督(52)は、恒例の作戦名について、同駅伝も中継するテレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の決めゼリフから引用した。

自身と米倉涼子演じる主人公・大門未知子の設定をなぞらえ、「群れ、派閥を嫌い、スキルのみで16年間頑張ってきました」。出雲駅伝では4区までトップ争いをする理想的展開も、5区、6区で失敗し、5位に沈んだ。名医ならぬ、箱根駅伝を4連覇した名将は「今回も5強と激しい戦いになる。1区間でも失敗があれば、シード圏外にもはじき出される戦国駅伝。私、青学大、失敗しないで目指して頑張りたい」と決意を述べた。

出雲5位から“回復”するカギは「4年生の奮起」。出雲は貧血気味の“患者”で欠場だった鈴木塁人主将も、吉田祐也(ともに4年)も今は補欠の登録だが、今大会では“復帰”すると明言。指揮官は「大学駅伝は4年生の頑張りが勝敗を分ける。彼らの奮起に期待している」。吉田圭太(3年)も含め、最低でも3人を補欠から出場メンバーに“移植”する。夏合宿までのチームの“診断”は決してよくなかった。しかし“処置”は間違っていなかったよう“快方”に向かう。夏合宿後は「チームの状態が上がった。出雲駅伝後もいいトレーニングができた。恥ずかしくない走りは前半からできる」と自信を示した。

青学大、東海大、東洋大、駒大、国学院大が5強とされ、激化する“権力争い”。隠される相手の戦略にも“メス”を入れた。優勝候補東洋大の酒井監督には「思い切った配置をする方なので、何となく1区に相沢君が来るのかな。いかがなものでしょうか」。補欠にエントリーされる大学最強ランナーが何区に器用されるかを“問診”した。

ただ、酒井監督からは「1区で椅子も駅伝と同じ展開になるのでしたら、札幌学院大のローレンス・グレ選手が出る可能性もありますし、縦長になるのかな」とはぐらされた。また出雲を制した国学院大の前田監督には「7区に茂原君、エースの浦野君は3区でしょうか」。そうレース当日の“オペ”について探りを入れ、“処方”する術を考えた。

 

青学大メンバー

1区湯原慶吾(2年)

2区岸本大紀(1年)

3区神林勇太(3年)

4区松葉慶太(3年)

5区中村唯翔(1年)

6区中村友哉(4年)

7区竹石尚人(4年)

8区飯田貴之(2年)

 

補欠

生方敦也(4年)

鈴木塁人(4年)

吉田祐也(4年)

吉田圭太(3年)

大沢佑介(1年)