駒大のスーパールーキー田沢廉(1年)が、3区で7人抜きでの区間新記録と力走した。東京国際大ヴィンセント、帝京大遠藤に次ぐ区間3位だったが、「今の力は十分に出し切った」と昨年の青学大森田歩希の区間記録1時間1分26秒を1秒上回った。

2区を終わってチームは13位。「思った以上に低い順位だった」ことが発奮材料になった。いつものようにお気に入りの米国バンド「マシュメロ」を聞いて、気持ちを盛り上げた。「自分からやってやるんだと。自信はあった」。タスキを受ける時、2区山下に「任してください」。5キロ過ぎに日体大をかわした。続く8キロ過ぎで明大、拓大、中央学院大の集団に追いついた。そこで「ちょっと休もう」と思った瞬間、心の中を読まれたように、後ろの運営管理車に乗っていた大八木監督から「休むな!」とハッパをかけられた。

4区へつなぐ平塚中継所に飛び込んだ時には、13位から6位まで浮上。「楽しかった。森田さんの記録を抜くのは無理と思ったが、応援に後押ししてもらった」。それでも「絶対、日本人トップでと思っていたが、遠藤さんに負けたのが悔しい」と区間賞のリベンジは来年に取っておく。

高校卒業までは10キロ以上のレースをしたことがなかったが、大学入学後は高校時に最長16キロだった練習が20キロまで伸びた。その4キロ分の増加と、昨年の夏合宿を3週間、トップグループでこなせたことが長い距離への自信になった。

本当の気持ちは「2区を走りたい」。今回は経験で上回る山下が2区を走ることに納得し、自らは3区へ。それだけに来年は「2区を狙っていきたい」。次期エースへの自覚十分の1年生が、古豪復権を誓った。【吉松忠弘】

◆田沢廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日、青森県・八戸市生まれ。青森山田高3年の時に、アジアジュニア選手権5000メートルで銀メダル。駒大進学後は、3大駅伝初出場となった10月の出雲3区で区間2位、11月の全日本7区で区間賞を獲得する鮮烈なデビューを果たした。180センチ、62キロ。