全国高校総体はコロナ禍の影響で史上初の中止となったが、全国規模の代替大会「全国高等学校陸上競技大会2020」が10月23日から、エディオンスタジアム広島で開幕する。女子走り高跳びの黒沢尻北(岩手)八重樫澄佳(3年)は、全国制覇を目標に練習を重ねている。

小学生の時から全国出場の経験はあったが、入賞に届かない時期が続いた。同校では2年連続で全国総体に出場も、1年時は決勝で1メートル63を跳べず記録なし。2年時は19年5月の県総体で1メートル75を跳躍し、県記録を更新して同年の高校ランキング2位の記録をマーク。上位候補の一角として臨んだが、11位と悔しい結果だった。

それでも八重樫は前を向き、同10月に広島で行われた「U-18日本陸上競技選手権」では6位で自身初の全国入賞。「うれしさよりもすごく安心した。やっと入賞できて、みんなに良い報告ができる」。小学時代から含めて、8度目の舞台でつかんだ入賞を笑顔で振り返った。

全国総体中止に伴い、県総体も中止に追い込まれたが、7月の「2020岩手県夏季陸上」は1メートル70で優勝。続く県選手権では1メートル73の大会新記録を樹立。16日時点で今季全国ランキング2位タイの好成績を残した。目標は「大会優勝。記録としては、今季中に1メートル80を飛びたい」。相性のいい地で表彰台の1番高い場所に立ち、満面の笑みを咲かせてみせる。【相沢孔志】

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◆八重樫澄佳(やえがし・すみか)2002年(平14)6月21日生まれ、岩手・北上市出身。黒沢尻西小在学時に陸上競技を始める。北上中1年秋から本格的に走り高跳びを始め、3年時に全国中学陸上で9位。黒沢尻北では2年連続で全国総体出場。167・6センチ。家族は両親と姉。趣味はK-POPを聴くこと。好きな食べ物は甘い物。