東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(28=富士通)が、チームの2年ぶりの優勝に貢献した。最長区間3区(16・8キロ)を任され、首位を奪う好走。来夏の大一番に向けて順調なステップを踏んだ。3時間36分43秒の大会記録で制した富士通など12チームが、来年元日の全日本大会(ニューイヤー駅伝)の出場権を獲得。例年は公道を走るが、コロナ禍の今年は公園内を周回する特設コースで行われた。

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タイム差はゼロながら、しっかり先頭でタスキを渡して勢いを呼び込んだ。

2位で駆け出した中村は前半を抑えて走り、5人による2番手集団を形成。後半から先頭との差を詰め、最後は、箱根路を沸かせた青学大出身のルーキー吉田(GMO)との一騎打ちに先着。48分3秒のタイムは区間4位で、「区間賞は取れなかったけれど、トップに立てて流れはつなげたかな」と納得顔だ。

高速化するマラソンで海外勢と勝負するにはスピード強化が重要と考えている。「今日も(1キロ)2分50秒ぐらいのペースで押していけた。スピードの持久力を上げることをテーマに、順調に準備ができている」。来夏に向けて手応えを感じている様子だ。

年内はこれが最後の実戦で、次は来年元日のニューイヤー駅伝を予定。その後は「冬に国内でマラソンを1本走りたい」と話した。