第97回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に出場する東洋大は11日、オンラインで会見を行った。

前回大会は10位で、11年連続続いていた3位以上が途切れた。酒井俊幸監督(44)は「(総合)3位以内にこだわりたい。新しい戦力も力をつけている。若い力を信じ、箱根駅伝に挑みたい」と語った。

前チームは4日の日本選手権1万メートルで日本新記録を樹立した相沢晃(23=旭化成)がいたが、選手層の厚さが課題だった。今年は個人の意識改革などを進め、底上げを目指した。結果的にいずれも箱根経験者の田中龍誠(4年)、鈴木宗孝(3年)、及川瑠音(2年)は、16人のエントリーからも外れた。酒井監督は「前回の選考は誰を入れるかだったが、今回は入れたいけども、外すしかない」。昨年とはまったく違う悩みは、チームが成長した証しだった。勝負の5区山登りには、前回区間賞を獲得した宮下隼人(3年)がいるのも心強い。

東洋大の駅伝スローガンは「その1秒をけずり出せ」。1秒の前に「その」と付くのには理由がある。「その」と問われた時、友人、家族、故郷など何が頭をよぎるのか。待っている人のために懸命に走る、駅伝の精神があると考えて、付けられた。

今大会は新型コロナ禍で沿道での観戦自粛が求められているが、その思いが揺れることはない。酒井監督は「どこかで絶対に見てくれていることには変わりない。映像から伝わる鉄紺らしい走りを見せるという意気込みで、スタートラインに立ちたい」と話した。

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