陸上界の「フワちゃん」が魅せた。拓大のスーパー1年生、不破聖衣来(せいら、18)は、東日本女子駅伝の最終9区で群馬県代表のアンカーとして登場。トップから37秒差の3位でたすきを受けると、ダイナミックな走りで、上位との差を縮め逆転。2時間17分10秒で群馬を14年以来、7年ぶりの優勝に導いた。

ゲスト解説で4大会連続五輪代表の福士加代子が「1人だけ歩く歩道」にいるようと例えるほどの快走だった。2・5キロ付近で2位の宮城を抜き去ると、中間点の5キロすぎに首位の千葉を抜き、トップに立つ。解説の福士は思わず「息してるのかな」とたまげた。終盤に2位に上がった長野に猛追されたが、振り切った。先月31日の全日本大学女子駅伝では5区区間賞を獲得したが、この日も、2024年のパリ五輪での活躍も期待される逸材が、その実力をいかんなく発揮した。

レース後のインタビューでは「前回(群馬の)優勝したとき、姉が出ていて応援していた。今回は自分が出て優勝したかった。これからも大きな大会で活躍できるように頑張ります」と笑顔を見せていた。