陸上長距離で早大のエース格3選手が29日、初の欧州遠征に旅立った。4月に1万メートル27分58秒21を記録した石塚陽士(3年)、5月の関東インカレ5000メートル5位の伊藤大志(3年)、同3位の山口智規(2年)が、チェコ・プラハで開催されるロード10キロの国際大会に参加する。

昨年6月に監督に就任した花田勝彦監督が主導し、2月から実施された同大陸上競走部初のクラウドファンディングによる寄付が原資。「駅伝強化プロジェクト」として、箱根駅伝での頂点、世界に通用するランナー輩出のため、海外で経験を積む。3月末まで集まったのは649人から2025万円にもなった。

人生初の海外という石塚は「ドキドキと不安と、半分半分ぐらいありますが、全てが新しい経験、感じたことないことになると思うので、そこをしっかり楽しみつつで、せっかく海外行くので、後ろで自重する走りじゃなくて、先頭集団について攻めた走りをしたい」、3月の香港に続き2度目の国際レースの伊藤は、「クラウドファンディングという、僕たちの価値をお金に変えてもらうようなことの一環で海外に行かせてもらうので、やらなきゃいけないっていう使命感ももちろんあるし、それをしっかり、レース展開もそうだし、粘りなどで発揮したい」、同じく香港以来の山口は「せっかくのレベルの高いレースに出させてもらえるので、守りじゃなくて、攻めてチャレンジしていって、何か得られるものがあればなと思います。帰ってきて1つでも成長できたことがあるように、レースに挑んでいきたい」と志した。

花田監督自身が、学生時代の海外経験を、その後の五輪出場などの飛躍につなげた体験を持つ。「自分自身が現役の時にこうやって連れてってもらったのがあった。巡り巡って自分が選手たちを連れて行けるのは、すごく感慨深いものがあります。支援に感謝して、良い経験を積ませたい」と語った。1月の箱根駅伝では、シード落ちだった前年から総合6位へと浮上した。花田改革のもと、さらに上を目指す駅伝シーズンの足掛かりにする。